H×H〜短編 裏なし〜

□AM11:00
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*:・゜。*:・゜*





『…っ……』


頭が痛い

心臓が痛い

どうしようもない痛みが私を襲う



隣で彼は安心しきった顔で寝ている


『……好きだよ』


顔をのぞきこんで頬を撫でる



……私は幼い頃から重い病にかかっている

遺伝のものだから伝染はしない

そしてこの事実を
私はレオリオには伝えていない



……不治の病だから
なおさらレオリオにだけは言えない


彼の夢は医者になること

……なら尚更言った方が
いいかもしれないのだけれど

私はあまのじゃくだから言えないでいる


彼は誰よりも優しいから
真実を言えば、不治の病を治すために
今以上に努力をしてしまう
プレッシャーをかけてしまう


……迷惑をかけてしまう



『…言えるはずがないじゃない……』




でも、その不治の病は今も尚研究されていて
医者にこの前
「もしかしたらもうすぐ
治すための薬ができる」
と言われた



私が延命出来るための唯一の方法


……でも、その治療薬ができるまで
私の命が持つことは叶わないかもしれない

私の母は、突然
今の私の歳よりひとつ若くしてこの世をたった


いつ、症状が悪化してもおかしくはない



……だからそれまではどうか……



『あなたと共にいさせてね……』














────────なんて

淡い期待を持ち続けていた















*:・゜。*:・゜*






もうすぐレオリオと付き合ってから
3年が経とうとしている



『今日は具合もいいから…
記念日のプレゼント買いに行こうかな』


今日は会う約束もしていなかったので
行く準備を始める
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