H×H〜短編 裏なし〜

□盲目の彼女
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『はぁ…はぁ…』

タタタタッ

サッ

私は路地裏へと逃げた







…イルミさんから依頼を受けて
私はキルアと共に仕事に出ている

基本的には情報屋なのだが
私はキルアと仲が良くて
(実は付き合ってるけど
イルミさんには内緒にしてある←)

何よりイルミさんにも
信頼されているということで
キルアの針を刺した後の様子を見て欲しい
と頼まれた次第である

矯正といっても
私は針を刺すということに
些か賛成したくはない…

でももしそんなことを言ったら
イルミさんに殺されるので何も言わないまま
今こうしているんだが…

イルミさんの予想通りの結果になって
私は少し不快感を覚えた


針の効果は絶大

イルミさんは今回のターゲットをわざと
キルアよりも少し上手な相手を選んで
仕事に行かせたのである

だからキルアはターゲットと対面した瞬間
自分の方が劣っていると思い、後退りをして
逃げ腰になった

それを見たターゲットは
キルアを攻撃しようとしたので
私が背後からターゲットを軽く攻撃して
私が囮となって逃げた

今はこの段階である


私は殺しなんてしたくないので

今回はキルアが無事なら
相手を撒いて帰ってもよし

と、イルミさんの言葉に甘えて
相手を撒こうとしているのだが…


…なかなか撒けない






*:・゜。*:・゜*





しばらくしてようやく
相手の気配が消えた

『やっと撒けた…』

ふぅ…と、ため息をついて壁に寄りかかる

キルアはあの後どうしただろう?


ス…

ピッピッピッ…

プルルルル…プルルルル…


キ「…」

『あ、キルア 今どこ? 大丈夫?』


…大丈夫じゃないよね


心の中では思っていても
言葉には出せない


キ「レイ…俺…」

暗い雰囲気が電話越しでも伝わってくる

『…仕方ないよ、今回は相手が悪かった

…とにかく!キルア 今からそっちに向かうから
今どこにいるk……』


私は本当に馬鹿だった


油断しすぎてた



ガシィッ


『ぅぐ…!』


ス……カッ…カタンッ

手から携帯電話が落ちる


キ「…レイ…?
…おい、レイ どうしたんだ?」


「油断しすぎだぜ?お嬢ちゃん」

首を掴まれて壁にそって持ち上げられる



「俺は殺しはあんま好きじゃねぇからよぉ

…これくらいで勘弁しといてやるよっ」

キランッ…

男は片手に小刀を持ち



……ザシュッ


切りつけてきた



『っ……あぁぁぁぁああああ‼⁉』


ドサッ

「ショック死すんじゃねぇぞー
そのままずーっと苦しみながら生き続けろや」


そう言った後、男が去っていく気配がした

私は地面に横になったまま両目を押さえて
もがいていた


そう、私は目をやられたのだ



初めて味わうひどい激痛


痛み以外、何も感じられない


『ぐ…はぁ…はぁ…ぁぁあ…』


息も絶え絶えにもがき続けていると
足音が聞こえた

『あぁ……た…助けて…』

左手で目を覆い、右手を伸ばし助けを求める

すると聞き覚えのある声が聞こえた


イ「あーあ、やっぱり
″二人とも無傷″は無理だったか」


『イ…ルミさ……?』

イ「予想はしてたけどまさか目をやられるとはね
レイのこと少し買いかぶってたかな」

『っ……』

イ「まぁキルが無傷だったから
せめて治療とかは少ししてあげるよ
父さんにそうしろって言われたしね」

グイッ

お姫様だっこをされる



キ「兄貴……?
おい、兄貴がいんのか!
何がどうなってんだよ、おい!」

落ちている電話からはキルアの声がまだ聞こえる


『キル…』

バキッ

『…?』

おそらくイルミさんは私の携帯電話を踏み砕いた


イ「…俺はバカじゃないからね

レイとキルが付き合ってることくらい
ずいぶん前から知ってるさ」

『…!』

イ「でも悪いけど
今のキルにはそういう色恋沙汰は必要ない

そういう意味でも今回の怪我は
いい罰になったでしょ?」

『っ…』

何も言い返せない

イ「だけど、
これでもまだ罰は足りないくらいだから
治療が終わったら
レイはもう一生キルと
関わらないで貰うからね」

『え…』

イ「おやすみ」

ストンッ

うなじを強く叩かれて

私の意識は飛んだ








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