H×H〜短編 裏なし〜

□ピエロ
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『…』



馬鹿みたいに突っ立っている私


待ち合わせは2時間前


ここに一人、それが答えって訳か


「あーお待たせー」

「いいや全然待ってないよ!
それより早く行こ♪」


違う

今、私の隣にいた人は
本当は15分くらい前から待ってた

全然待ってない
なんてもんじゃない


だけど私は彼が来たら
今の彼女と同じ台詞を言うだろう


いくら遅れたっていいからさ
…来てほしいの



″ピコンッ″

スッ…

通知音がして携帯電話を片手にとる



″暇だからさぁ、これから会おうぜ?″

『…キルアか…』

ごめんね、今日は無理だ

ヒソカと約束してるんだもの

″ごめん
今日は用事があるから…″

『送信…と』

ポケットに入れなおそうとしたら

″ピコンッ″

と、また通知音が

″…あ、そっか
久々にヒソカと会うのって今日だっけ?
悪ィな、邪魔して また今度誘うわ″

『…』

″うん、じゃあまたね″


スッ…

そしてそのまま携帯電話をポケットに入れて
ベンチに座って待ち続けた




街ゆく人 流れる雲

全てが私のことを嘲笑ってるように思えた






*:・゜。*:・゜*




私とヒソカが出逢ったのは
ハンター試験の時

第一印象はお互いによかったらしい

試験が終わって告白したら
案外すんなり受け入れてくれた

ハンター試験が終わってからも
こまめに連絡は取り合っていて
デートも何度かしてはいたものの

私のハンターとしての仕事が忙しくなり
しばらく連絡もデートもできずにいた

そして私がようやく仕事も一段落したところで
ようやく連絡をして
デートのお誘いをしてみたものの

″行けたら行くよ◇″

と、そっけない返事だけ返ってきた

今まではそんなことなかったから
不安で仕方がない

自業自得と言われればそれまでだが
もし来なかったら?と考えると不安になる

ヒソカからしてみれば
もう私たちの関係は自然消滅しているのかも
とか
放っておいて今更なんだ
とか
言われても私は何も言えないからな…

それでも一日は待つことにしようと決めていた




…しかし
4時間たった今にもなると
さすがに少しは挫折しそうにもなる


待ち合わせは9時と指定した

…もう13時


ぐるるるる…

『お腹すいた…』

仕方がないので
近くのバーガー屋さんによる


バーガーを買ってベンチに戻ってみると
子供が私のいた場所に座っている

…しょうがない

私は木陰に座ってバーガーを食べた





*:・゜。*:・゜*


17時

ベンチで座っている私

ボーッとしすぎて
涎が垂れてるんじゃないかと言うくらい
今の私は無。


『…少し寒いな…』

ハァー…

手を擦り合わせながら手に息を吹き掛ける
 

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