H×H〜短編 裏なし〜

□雨の日
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『なんで⁉』

シャ「それはこっちが聞きたいね」

『もう知らない!』

シャ「あぁ俺だって
もうレイのことなんか知らないね!」

『じゃあねー!』

ふんっ

シャルに背を向けて
荷物も持たずに私は部屋から出た


最近は本当に喧嘩の頻度が多い
だから今回の喧嘩もたぶん小さい何かが原因
でも今回は少し喧嘩が長引いて
それにいつも私の方が先に折れるので
たまにはシャルに折ってもらいたかった
しかし、いっこうに折れる気配のないシャル

私が苛立って出ていった







*:・゜。*:・゜*


幻影旅団

それは俺たちの出逢ったきっかけ

俺は幻影旅団が出来てからずっといる

レイは旅団ができて
暫くしてから入ってきたメンバー



お互いに惹かれるものがあったんだ


だから俺たちは付き合うことにした

今まで俺はレイといて幸せだった

でも最近は小さなことから喧嘩になって…

まぁそれでも、
最初に折れるのは大抵レイなんだけど

だから喧嘩になっても
俺はなにもしない

待っていれば
暫くすれば
レイが俺に謝ってくる

そう思って
俺はレイを追いかけはしなかった



*:・゜。*:・゜*


『…暇だな…』

街中をウロつきながら何をしようか考える

『あ、きれい』

ふと目にとまった
ジュエリーショップに立ち寄ってみる

「いらっしゃいませー」

女性店員の高い声が聞こえる

「ただいま当店全品
ガラスケースから御出しして
お客様に実際に
試着できるようになっておりますー」


なんてゆるい店なんだ

なーんて考えながら

出された宝石を見ながら
店内を一通りまわると店から出た

『こーやって盗られちゃうでしょ?』

さすがに全部盗っちゃうとバレるので
気に入ったのをいくつか盗んだ

『帰ってマチたちにあげよーっと』

ピッピッピッ

プルルルル…プルルルル…

″もしもし″

『あ、マチ?
レイだけど今アジトにいる?』

″あぁ、今はみんなアジトにいるよ
シャルに代わるかい?″

『あ…いや、いいや。ごめんね

とりあえず今から戻るよ
なんかきれいな宝石手にいれちゃった
みんなでわけようね!』

″…あんたってそういうとこあるよね″

マチは少しため息をつきながらそう言った

『え?』

″独り占めしてればいいのに″

『…私はみんなで分け合うのが好きなの
それで笑顔が見れればうれしい

…ま!とにかく帰るね!
そんじゃまたあとで!』

″あぁ、気をつけてね″

ピッ

マチと電話を終えてアジトに向かって歩き続ける


『念さえ使えば一発で戻れるんだけどな…』

私の能力は一度でも行ったことのある場所に
テレポートする能力

でもそれには代償があって
その後一日念が使えないっていうもの

それともうひとつは
半径2km以内でランダムで他の場所へ
テレポート可能な能力

でもこれは使えば使う度に心臓に負担がかかる

元々私はそんなに心臓が良くはないから
あまり使いたくはないのだ


だからまぁ少しくらいの移動なら
歩いた方がマシと言うわけ


『それにしても…』

街中カップルばかり

うらやましい


「愛してるよ、ルリ♡」

「マーくんったらー♡」

「愛はお金があっても買えないからね♡」

「そんな私を虜にしたマーくんが好き♡」

「このやろー♡」


…いや、さすがにあそこまで街中で
ベタベタしてるのはちょっと…



『…って、あ!思い出した!』

今回の喧嘩の原因


私が愛か金、どっちの方が大切かって
シャルに問いかけたのが原因だ


私はもちろん愛だと思う


…でもシャルは……金と答えた


『…でもまぁ…考え方は人それぞれだし

…ちょっと怒りすぎたかな…?』

…しかたない

やっぱり私が折れよう

こんな状況は早く終わらせたい


『あ、そうだ!
シャルには特別に他のお土産持って帰ろっ♪』

そう思って私は踵をかえして
またジュエリーショップへ戻った



*:・゜。*:・゜*



マ「シャル、
さっきレイから電話あったよ」

シャ「あっそ」

ク「どうした?また喧嘩か?」

シャ「別に」

シズ「まぁ喧嘩するほど仲がいい
って聞いたことあるよ」

マ「シャル、たまにはあんたからも
折れてあげなさいよ」

シャ「うるさいなー
俺は今次の仕事の情報収集で忙しいの!」

俺がそう言って怒ると
だれも口出しをしなくなった

窓から外を見ると
雨がポツポツと降りだしていた





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