夢小説。
□先輩後輩。
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私は思うのだ。
この気持ちは絶対に相手に伝えない方がいい。
「ルイ? どうしたの、ボーッとしちゃって」
「あ、いえ……別に」
今までの関係が崩れてしまう可能性があるのだ。
少なくとも私は嫌だし、相手だってそんなこと望んでいないハズである。
しかし、我慢すれば我慢するほど。貴方への気持ちが、よりいっそう強くなっていく。
しかも相手は、モテる。尋常じゃないほど、モテるのだ。
はたけカカシ。その名が彼だ。私は暗部に入るなり、その人に一目惚れした。
今は先輩、後輩という関係。ならなおさら、任務に支障が出るようなことはしたくない。
「しかも鈍感だしなあ……」
「何?」
「あ……すいません」
しかし、やはり先輩後輩、それ以上の関係になりたい。
私だけを見てほしい
私だけを愛してほしい
その笑顔を向けてほしい
そう、何度思っただろう。
ああ、先輩――
気づいてほしい。
私じゃ駄目でしょうか。
私じゃ無理でしょうか。
「じゃあ行こうか、ルイ」
「はい……」
――今は伝えてはいけない。言うべき時が来たら、言おう。
そのとき笑うか泣くか。どっちにしろ、二つに一つだ。
end。