夢小説。

□先輩後輩。
1ページ/1ページ

私は思うのだ。

この気持ちは絶対に相手に伝えない方がいい。


「ルイ? どうしたの、ボーッとしちゃって」

「あ、いえ……別に」


今までの関係が崩れてしまう可能性があるのだ。

少なくとも私は嫌だし、相手だってそんなこと望んでいないハズである。

しかし、我慢すれば我慢するほど。貴方への気持ちが、よりいっそう強くなっていく。

しかも相手は、モテる。尋常じゃないほど、モテるのだ。

はたけカカシ。その名が彼だ。私は暗部に入るなり、その人に一目惚れした。

今は先輩、後輩という関係。ならなおさら、任務に支障が出るようなことはしたくない。


「しかも鈍感だしなあ……」

「何?」

「あ……すいません」


しかし、やはり先輩後輩、それ以上の関係になりたい。

私だけを見てほしい
私だけを愛してほしい
その笑顔を向けてほしい

そう、何度思っただろう。

ああ、先輩――

気づいてほしい。

私じゃ駄目でしょうか。

私じゃ無理でしょうか。


「じゃあ行こうか、ルイ」

「はい……」


――今は伝えてはいけない。言うべき時が来たら、言おう。

そのとき笑うか泣くか。どっちにしろ、二つに一つだ。




end。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ