短編小説

□生徒会の不純
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 僕は高校の生徒会に、会計として所属している。
まだ一年生だが候補者があまりいなかったのか、
突然推薦される形で生徒会役員になることとなった。

 きっと既に卒業した僕の兄が、在学中生徒会長だった影響もあるのだろう。
そんな成り行きでなったものの、任された以上、責任を持って会計という役割を果たさなければと、
僕は色んな先輩方に助けてもらいながら必死に仕事を覚えている。




 そんな僕に一番よくしてくれているのは3年生の生徒会長だ。
彼は真面目で仕事も勉強もでき、どこからどう見ても完璧な先輩だった。
 背も高く大人びていてとても格好いい。
勉強も生徒会の仕事もまだよくわかっていない未熟な僕を優しく丁寧に指導してくれて、
僕はすぐに会長に尊敬の念を抱いた。


 彼のおかげで、会計の仕事をこなしながら2学期を無事に終えることができた
と言っても過言ではない。


 一緒にいる時間が長く、また素直に尊敬できる人間だったからか、
僕はすぐに会長に対し尊敬以上の思いを抱いた。

 まだその頃はその感情が恋愛的なものとは分からず、
会長に微笑みかけられたり、頭を撫でられたりすると心臓が飛び出しそうな程
ドキドキして顔が熱くなったりしてしまうのが
不思議でしょうがなかった。


 だから誰もいない生徒会室で、会長に初めてキスされ、
告白された時には驚いて心臓が止まるかと思った。
 それでも憧れていた会長に好意を示されて嬉しくないはずはなく、
僕は泣きそうになりながらコクコクと頷いて会長の告白を受け入れた。

 
 同性同士の恋愛も特に抵抗がなかったが、もとより恋愛したことがなかった僕は
その手の話に疎かったせいもあり、もちろん最初は戸惑っていた。

変に意識して空回りする僕を会長は優しくリードしてくれて、
色んなことを教えてくれた。

僕の通う学校は男子校ということもあって、男同士の恋愛もよくあることらしいとも教えてくれた。
それでも僕らの仲は誰にも秘密にしてある。


 会長は本当に大人っぽくて、色んなことを知っていて、
何も知らない僕は会長の手解きで多くのことを覚えた。

初めてのキスからそれ以上のこと・・・・・

 会長の手によって開発された僕の身体は多くの快感を教え込まれて、
僕はどんどん会長に溺れていった。

今はもう、会長が好きで好きで堪らない。
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