シリーズ小説

□悪戯A
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 帰り道の途中で忘れものをしたことに気が付いた僕は、来た道を引き返し学校へと向かいました。


みんな帰ってしまって誰も居ない廊下は少し暗くて怖かったです。
いつもは騒がしい教室も、今は僕以外には誰も居ません。西へ傾いた太陽が窓から赤い光を差し込んでいます。
昼間とは違う放課後の学校が少し新鮮に感じました。


 僕は少し嬉しくなって、人一人いない学校内をぐるりと回りながら玄関に向かうことにしました。


薄暗い廊下を歩いていると、どこからか軋むような音が聞こえてきました。
僕は恐る恐る、音の出元らしき資料室のドアに近付きます。
耳を近づけると、何かを擦ったみたいな音とともに囁き声らしきものがドアの向こうから聞こえてきました。


好奇心を刺激された僕は、音をたてないように細心の注意を払いながら引き戸を数センチだけ開けて、中を覗きこんでみました。



 中には担任の先生とクラス委員長の矢島君がいました。
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