シリーズ小説

□平凡君の受難B
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 最近、親友の様子がおかしい。


いつも何かに悩んでいるように塞ぎ込み、俺と距離を置くようになった。
一緒に帰ることも、メールをすることも少なくなった。

俺と一緒にいると、悲しげな顔をして、少し空気が重くなるような気がする。





 長谷部がおかしくなったのは、数週間前からだ。

あいつが学校をで欠席したあの日から。

あの時あいつの家へ行っていれば何かが変わっていたのだろうか。
しかし長谷部の方からメールで来るなといった。
よく考えたらそのメールも少しおかしかった。

長谷部は俺に対して正直で、心を開いてくれていたはずなのに。
あいつの思いつめた表情を見るたびに辛くなる。すこし避けられると胸が締め付けられるように痛む。

俺はあいつの親友だ。
あいつの力になりたい、そう思った。
俺にとってあいつは、特別な存在だから・・・・






 無意識のうちに長谷部の姿を目で追っていると、なぜかいつも村上の姿が近くにあることに気付いた。
村上は長谷部にとって苦手な部類に入る人間だ。

しかしここ最近、ずっと一緒にいる。いや、長谷部の方が付きまとわれているように見える。

 長谷部は村上の姿を見て怯えているような目をする。逆らえないような、そんな目。
二人の間柄に違和感を覚えた。
俺は胸の奥で何かが疼くような感覚にとらわれた。とても嫌な予感がする。

長谷部を問いただしても、簡単には本当のことは言わないだろう。
あいつは何でも一人で背負い込んでしまうタイプだから。
少しは俺を頼ってくれてもいいのに、そう思うと胸がちくりと痛んだ。



 部活が終わった後、俺は長谷部の家へ向かった。
もうあいつが悩んでいる姿を見ているのは辛くてしょうがない。たとえ余計なお世話だとしても、
力になりたい。
直接本人と2人きりで話がしたかった。
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