シリーズ小説
□平凡君の受難A
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その日、そいつは学校に来なかった。
理由を知っている俺たちはおもむろに視線を交わした。
昨日のことが原因で長谷部が休んだことは明白だ。
ちょっと意地悪が過ぎたかな。
そう冗談を交わしながら、俺たちは休み時間を過ごした。
正直皆、昨日は本気になっていたんだと思う。
興奮しきって理性がぶっ飛んでしまった。
それほどまでにアイツの表情や反応には相手の加虐心をそそり、欲情させるものがあった。
前から目をつけていたが、想像以上だった。あの扇情的な声は全員を興奮させた。
今までにないほど胸が高鳴り、俺の中で独占欲がむくむくと湧き起こる。
アイツが欲しい。
今までずっと思っていたことだ。昨日、長谷部の淫靡な姿を見て
もうそれは抑えきれないものとなった。
今まで感じたことがないくらい、俺の中で欲望が蠢いた。