短編小説
□閉店後の美容院
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店に勤めている美容師見習いのヘアカットモデルになってくれ。
成美修哉が父にそう言われたのは昨日のこと。
修哉の父は美容師で、自分の店を経営している。
街中のオシャレな店構えと父の腕がいいおかげか
店はなかなか繁盛しており、美容師を目指し日々技術を学ぶスタッフも多くいた。
カットモデルといえば聞こえがいいが、
要は修哉に研修生の練習台になってくれというのだ。
最近前髪が伸びてきたことだし、
特に断る理由もなかったので修哉は二つ返事で受け入れた。
では早速今日にでも、と父が言うので、
修哉は学校帰りに父の店へ寄ることにした。