短編小説

□夜の部室
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 放課後。久々の部活ですっかり疲れきった俺は重い足取りで部室へ向かう。
明日の朝練のメニューを考え、顧問の先生と来月の大会に向けての
打ち合わせをしていたらすっかり遅くなってしまった。

だいぶ日が短くなり、もう外は真っ暗だ。
みんなとっくに片づけを終えて帰ってしまっただろう。
もう校舎には人の気配が全くしない。

 だが、部室のカギをあけ中に入ると、そこには見知った人物の顔があった。

(またこいつか・・・・・)

俺はげんなりとした表情を隠すことなく、聞こえるように溜息を吐いた。

「あ。先輩、お疲れ様っす!」

俺の姿を見て、後輩の川瀬はパッと表情を明るくして声を掛ける。

「お前、こんな時間まで何してんだよ・・・・」

「そんなの決まってるじゃないですか〜。先輩を待ってたんですよ。」

俺は呆れ顔ではいはいと軽く流し、着替えるために自分のロッカーへ直行した。

すると後輩も至極当然のように立ち上がりくっついてくる。

 無視して着替えをし始めようしたが、背後に密着し立たれた。
俺はまた深くため息を吐き,振り向きもせずに低い声で言った。



「・・・・邪魔なんだけど。」

こんなことを言っても無駄だとは分かっていてもとりあえず文句を言ってみる。

 しかしやはり相手は全く気にする様子もなくすり寄ってくる。

「え〜いいじゃないですかぁ。だってテスト明け久々の部活なんですよ。
 俺先輩に会えなくて寂しかったんですから。」

やや嬉しそうな口調で川瀬はいいながら、そっと俺の肩に手をかける。

「・・・・・っ」

 俺は思わず身を固くし、息をつめた。
川瀬はゆっくりと俺の肩を撫で、もう片方の手を俺の腹の方へと伸ばし、
後ろからそっと抱きすくめた。
俺の胸の鼓動が早くなり、身が強張るのがわかる。


「・・・おいっ、何のつもりだ。」

自分が緊張しているのを相手に気付かれないように、
なるべくいつも通りの調子で声を出す。

そんな俺の様子を知ってか知らずか、川瀬は嬉しそうに俺の腹を撫ぜ、
腕に力を込め身体を引き寄せた。
相手の吐息を感じるほど近い。

「何のつもりって、先輩分かってるでしょう?」

 耳元に口を寄せ、くぐもった声で囁かれるともう何も考えられなくなる。
川瀬の触れたところがじわじわと熱くなり、体温が上昇していく。
初めて触れられたときから、俺はコイツには敵わないのだ。






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 川瀬はサッカー部に入った時から、人付き合いの上手い、可愛い後輩だった。
部長の俺のことをよく聞いたし、よく従った。
自分よりも大きく体躯の良い後輩は甘え上手で、大型犬に懐かれたような気分だった。

俺もすっかり気を許していたし、何より自分は無知だった。


 最初は軽いスキンシップ。それがどんどん過剰になっていった。
キスをされた時点で少しおかしいと思ってはいたが、
軽い調子に流されて、気が付くととコイツに主導権を握られていた。

 初めて犯された日も、そういえば誰も居ない部室だった・・・・・。


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「・・・・・・・・・ッ!」


 フッと耳元に熱い息を吹きかけられ、びくりと反応する。
耳朶をがじがじと甘噛みされ、耳の裏を舐められると、顔が熱く火照る。

 川瀬はそんな俺の反応を楽しみながら、シャツの中に手を滑り込ませ俺の前を弄り始める。

「っおい、馬鹿、やめろって・・・・」


ビックリして抵抗しようとしても、後ろからがっしり抱きしめられて身動きが取れない。

「嫌です。だって俺、ほんとに先輩に会えなくて寂しかったんですよ?」

そう言いながら尚も脇腹を撫で付ける。


「でも・・・っ誰か来たら・・・・」

「もう皆帰ったし誰も来ませんって」

 
 川瀬は余裕たっぷりに言う。
俺は必死に川瀬の腕から逃れようともがいたが、がっちりと抑え込まれびくともしない。
脇腹を撫でられ、くすぐったい。

 川瀬の手は徐々に上の方へあがっていき、胸のあたりを撫でまわす。
そしてすでに硬くなっている二つの突起をくりくりと擦り始めた。

「先輩の乳首、もうこんなに立っちゃってるんだ・・・」

「ふぁっ・・・・やめ、ろ・・・・あっ・・・」


二つの指でキュッと摘み上げられると、思わず声を上げてしまう。
 川瀬は両手で俺の乳首を弄りながら、顔を俺の頭に埋め、ぺろりと首筋を舐める。

「ッひぁ!!」
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