短編小説

□火遊び
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「奏人君は、男の人に興味があるんだよね?」

 下の名前を呼ばれ、胸がどきっとした。

「こういうことされたりしたことある?」

「ひゃっ・・・あァッ・・・・」

 向井さんはおもむろに僕の手に掌を重ね、そのまま股間を揉みこんだ。
初めて他人に触られたソコはすぐに熱を取り戻して、頭をもたげはじめる。

「あっ・・・はぁっ・・・・な、ないです・・・・ないっ・・・」

「へぇ、じゃぁこういうことされたいとか、思ってたりした?」

「んっ・・・あぁっ・・・・は、はぃ・・・・・」

 正直な言葉が、勝手に口から零れだす。心の奥では昔からそう思っていた。
誰かにリードされ、触ったり攻められたりしたい。
男のくせに女々しいって分かってはいたけれど。

「あっ・・・そんな、向井さん・・・・」

 向井さんは前を隠す僕の手を除けて、またもすでに勃起しているペニスを掴みあげた。
ごつごつとした掌で乱暴に扱かれて、恥ずかしさと気持ちよさに脳みそが解けてしまいそうだった。


「はぁっ・・・ん、あぁっ・・・・ッ・・・」

「元気だね、もうこんなにびくびくしてる。ほら、もっと足開いて」

 愛撫に蕩けている僕の下半身から下着ごとズボンを取り去って、向井さんの手は力の入らない両足を無理矢理こじ開けた。
左右に開かれた足の間から、ぐちゅぐちゅに濡れた僕の性器が晒される。


「奏人君のえっちなところ、いっぱい撮ってもらいなさい。」

「やっ・・・恥ずかしぃ・・・・あぁっ・・・・」

 恥ずかしいのに、足に力が入らない。
それどころか向井さんの手の動きに合わせて腰が揺れてしまう始末だ。
醜態を晒しているのに、興奮の熱は強くなる一方で。



「あっ・・・だめ、・・・・あぁっ・・・ッ・・・」

 すでに一度イッたにもかかわらず、また僕は絶頂しそうだった。ヒクつく腰の動きが止まらない。
また出る、そう思った時に、向井さんの手の動きがぴたりと止まった。


「ふぇ・・・・?あっ・・・何で・・・・」

 寸止めされた僕は、思わず向井さんに視線を向けた。
それでも向井さんは余裕たっぷりに笑顔を浮かべるだけで、動きを再開させてくれる様子はない。

苦しそうに張りつめるペニスから、先程まで暴力的な快感を与えてくれた手は離されてしまった、

 向井さんは僕の後ろに回り込み、僕の背中を覆うようにギュッと抱きしめた。肩口に顎を乗せて、脇の下から両腕を入れ込みがっちりと抱きこまれる。
密着した身体にドキドキする。

「奏人君は、ココ、弄ったことある?」

 僕の前に移動した向井さんの両腕が、胸の上を這い、普段は意識しない二つの突起をつんつんと突いた。

「え・・・・?」

 訝しがる僕の身体を撫で上げ、掌はシャツの下のタンクトップを捲り上げた。
日に焼けてない、貧相な僕の腰から胸が一気に晒される。
 

「腰細いね。肌も白くて女の子みたいだ。」

 臍の辺りを指でなぞられ、ゾクゾクする。
生き物のように這い回る指先が、僕の乳首を探り当てた。

「綺麗な桜色だね。可愛い・・・」


 ふにふにと揉まれ、むず痒いようなその感触に戸惑ってしまう。男にとっては不必要としか思えなかったそこを集中的に触られて、変な気持になってくる。

「あっ・・・あっ・・・・ッ・・・」

 指で弄られて、柔らかかったそこは次第に硬くなった。
血液が集中して淡い桜色から赤みがかった濃いピンク色へと染まり、次第に存在感が強くなっていく。
それと同時に、触れる指先から感じる熱が強くなり、どんどん敏感になっていくようだ。


「男でも、乳首触られれば気持ちいいんだ。ほら、こんなにやらしくなってきた。」

 先端の粒をコリコリ揉まれ、生まれる強い刺激に思わず息が上がってしまう。
側面を擦られ、先っぽを弄られる。


「はっ、あァッ・・・・んっ・・・・・」

「すっごく良さそうだね。感じちゃってるのかな。」

「あっ・・・何これ・・・っは・・・かゆい・・・ぃ・・・」

「先っぽ痒いの?じゃ、掻いてあげるね。」

「あっあァッ・・・や、やぁっ」


 先端に爪を立てられて、びりびりと電流が走る。
触られてもいないのに、僕のペニスからどぷっと大量の先走りが溢れた。
その様子を柏崎さんがカメラに収めていく。

「あ、ごめんね、強かったかな。でもすっかりここが敏感になっちゃんたんだねぇ」

 引っ掻いたところを慰めるように指の腹で撫でさすり、ビクビク震える僕の身体を愛撫する。
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