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□弱みと甘え
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「ありがとうございましたー!!」


そう体育館に礼をすると共に俺は部室へと駆け込んだ。そして脅威のスピードで着替えて、部室を飛び出した。出ると他の部員が外にいて、なにやら叫んでいたがそれも無視して走った。途中でお見舞い、と思いコンビニに立ち寄り、なまえの好きなプリンや食べやすいゼリーなど買い込んだ。




ー ピンポーン


今まで走ってきて上がった息を落ち着かせながらチャイムを鳴らすと家の中からはーい、という声が聞こえた。辺りは少し薄暗く、こんな時間に訪問していいのかと額の汗を拭った。


「はーい…あら、順平君!」
「こんばんわ、遅くにすみません。なまえが風邪引いたって聞いて…」
「お見舞いに来てくれたの?ありがとうねぇ、会ってあげて?」


なまえの母さんはそうにこやかに笑うと玄関のドアを大きく開いた。会うのはこれで3回目くらいだ。いくら会ってもお母さんには見えないくらい若い。そして笑顔がなまえと似ていてドキッとする。

お邪魔します、と言えば2階の突き当たりよ、と笑ってくれた。なまえの性格はお母さん譲りなんだな、と思いながらぺこりと礼をして階段を上がった。なまえの家に来るのも初めてではないが、お母さんに案内されたのは初めてで少し赤面してしまった。

階段を上がって、なまえの部屋の前でもう一度息を整えて、深呼吸をした。断りもなく来てよかったのか…。寝てたら帰ったほうがいいよな。色々な思いが混ざりながら、部屋のドアを2回ノックした。


「…なまえ、入るぞ」





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