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□共犯
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「達央さんって30歳だよね?」
「ん?あぁ、そうだけど?…ってこの会話何度目?」


達央さんの膝に腰を下ろし、背中を胸に預けた状態で、下から達央さんを見上げた。そう、私は授業が終わって、学校も終わって、念願の達央さんに会えたというのに、先生のあの言葉が気になって仕方が無い。


「俺のことやっぱおじさんだな、とか思ったわけ?学校でイイ奴いたとか?」
「そんな訳ないけど、授業で…」
「つか、そんな可愛い顔で見上げないでくれます?お前が制服ってだけでやばいのに、見上げるとか俺もう」


…やっぱ犯罪かも。

でもそんな達央さんをイヤと思うはずもなく。いやむしろ嬉しい。13の年の差なんてウソみたい、と達央さんの首筋に手を這わせて、するりと達央さんに寄り添った。そしてくるりと身体を反転させて向かい合うように座り直した。


「なに?誘ってる?」


ニヤリと妖しく笑う達央さんはスカートの裾を捲り上げて、太ももに手を這わせていた。


「高校生にこんなことしたら犯罪なんだよ?」
「んあ?そうなの?」
「今日の授業で習ったよ。いい大人が高校生に、って」


わたしがそう言うと太ももを撫で回していた達央さんの手がぴたりと止まって、ボタンを外す手も止まった。いつもなら押し倒してくるのにどうしたのかと顔を覗き込めば、それと同時に達央さんが私の首筋に顔を埋めた。


「どうしたの?」
「…いや、なんかさ…、そういうのすげぇ興奮する」
「…はっ?えっ!ちょっ!」


達央さんはそう言うとがばりと覆い被さってきて、私は押し倒されてしまった。そして首筋に舌を這わせながら、太ももに置いていた手を動かし始めた。


「は、犯罪者!」


突然のことで驚きながらも、流されるのは癪だったからせめてもの反抗として私にキスをしまくる達央さんの背中をバシバシと叩いた。すると、胸元に顔を埋めていた達央さんがひょこっと顔を上げて、ニヤリと笑った。


「でも、好きなんだろ?」


そう言うと身体をずり上げて深く深くキスをしてきた。突然押し倒されたことや、だんだんと脱がされてく服。身体を這い回る手に、それに合わせて漏れる自分の吐息。その全部が悔しくて。

それでもやっぱり、嬉しくて。




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