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□弱みと甘え
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「えっ、休み?」
「風邪引いたみたいだよ」
そう彼女のなまえの友達に言われたのはもう半日前だった。朝練習に顔を見せなかったなまえを心配して、隣のクラスに行けばそう言われたのだ。それを聞いてすぐにメールを送るも未だに返信はない。そしてついさっき、昼飯を食べながらもう一回送るも返信はない。
「日向、携帯見すぎ」
俺の前で呆れたように笑うのは伊月。うるせー、と一言返してまた携帯と向かい合う。寝込んでてメールに気付いてないのか?そんなにひどいのか?考えれば考えるほど悪い方へと考えてしまう。
なまえはかなり優しい子だ。いつも笑顔を絶やさずに、大人しい性格の子。だからそんな意図的に…メールを…。
「ああああ!何なんだ!!」
「こっちがだよ!何!」
いきなり俺が大きな声をあげたため、伊月は持っていた紙パックのジュースを落としていた。もはやそんなことはどうでもいい。なまえの体調が良くないのか、どうしているのか、それだけが気がかりだった。
「そんなに気になるならお見舞い行けばいいじゃん」
「学校あるだろ」
そっか、と笑う伊月にチラリと視線を向けた。そりゃ俺だって今すぐなまえの家に行きたいけど、学校もあるし、部活もある。部活終わった後だと少し遅い時間になってしまう。…でも顔は見たい。
「あ、そういえば今日の部活早く終わるって言ってたぞ」
「は?」
「先生方の会議があるらしい」
「まじで?!」
俺は今日ほど先生に感謝したことはない。心の中でありがとうありがとう、と呟くと同時に昼休み終了のチャイムが鳴った。