Voice

□溺惑
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今は何時くらいだろう、と薄暗い部屋で思った。身体は熱いのに頭だけはやけに冷静でくっと眉を寄せた。乱れる息とぐちゅと卑猥な水音、俺の下で身を捩らせてか細い声を漏らす恋人に酷く欲情する。明日仕事あるのにな、と頭では思っていながらも麻衣溺れてしまっては止める術を知らない。


「あっ、も…っ!あ、はっ」


既に何回か達している麻衣は身体をガクガクと震わせて、顔の横についている俺の手に縋った。生理的な涙を流しながら声にならない声をあげる。首筋に舌を這わせるとただでさえ狭いナカが俺を締め付けて気持ちがいい。


「あっ!あっ、も…っ、んん、あ、ああーっ!!」
「…っ、は」


ゴリと壁を擦れば一際声を荒げて身を震わせた。それを追い掛けるように駆け上がる快感に俺もゴムの中に欲を吐き出した。

達したばかりの余韻に浸る麻衣から自身を引き抜いて、首筋に流れる汗をべろりと舐め上げた。


「ひゃっ!…んも、やだぁ」


可愛らしい声をあげたかと思うと涙を流しながら俺の腕の中で身体を反転させた。


「…麻衣、こっち向いて」
「もう、やだあ…今日、激しいもん」


ふるふると首を振る麻衣はふぇ、と泣いたようだが嫌ではないことは明らかだった。


「麻衣が可愛いから」


やはり今日はもう止まれないらしい。麻衣の真っ白でほっそりとした背中を見ているとむくむくと欲情が再び目を覚ました。肩甲骨にちゅとキスを落とすと、ひっと身体を震わせた。その反応にぞくりとした何かが背中を走った。小さな背中に覆い被さるように体重をかけて耳たぶを口に含んだ。そのまま滑らかな肌につつ、と指先で触れた。


「んん…佳、正ぁ」


やだ、と震えた声で訴える麻衣の耳にくちゅりと舌をねじ込む。手は前へと滑り込ませて柔い胸に触れた。俺の手の中で形を変えるのに合わせて麻衣の口から甘い息が漏れる。


「あ、ふ…佳正、っ」
「…麻衣、腰あげて」
「んん、ふ…っ」


片手は胸を弄ったままでもう片方の手を身体に沿わせたまま腰へと移動させ、持ち上げた。吸い付くような肌がすでに熱くなった自身に触れて眉を寄せて快感に耐えた。

ガクガクと震える腰を撫でてから前へと回り込ませ、濡れきった茂みを掻き分けて固くなった芽に触れた。


「ひゃ…ぁっ!」


ぐりぐりと押し撫でながら背中にキスを落とした。時折麻衣から溢れる蜜を芽へと塗りたくる。それに合わせてピクピクと反応する足が俺の足に当たる。


「あっ、はっ…ぁ、っ!」
「…麻衣、はっ」
「ふ、佳正…ぁ」


麻衣の首筋から香る匂いに頭がクラクラとするなか名前を呼べば、首を捻ってこちらを向いた。その表情は何とも言えないくらい妖艶だった。ピンクに染まる頬とうるうるになった瞳。半開きの口にから真っ赤な舌が見え隠れする。ずくんと身体の芯が熱くなる。


「は、はやく…してっ」


はらりと零れた涙と共にそう紡がれた。身を乗り出して舌を絡めるようにキスをした。銀の糸が切れないうちにもう一度背中にキスを落として、弾けそうなほど張り詰めた自身に薄い膜を纏った。

そして先端を充てがって、また麻衣に体重をかけて覆いかぶさった。ひくひくと開閉を繰り返すたびに快感が駆け上がる。


「あっあっ、は…っ!」
「はぁ…っ、麻衣…」


体重をかけて少しずつ麻衣の中へと押し込む。狭い肉壁を割いていく感覚が脳を痺れさせる。


「はっ、あっ、佳正…ふ」
「く…っ、入ったよ」
「あ、ああ…っは」


こくこくと頷く麻衣の頬にキスをしてから先端まで抜いて奥までずんと突いた。


「ああ…っ!!」
「く、は…っ」


深く挿さるのか短い呼吸を繰り返す麻衣。シーツを掴んで快感に耐える姿は腰にクる。その手を上から包むように掴んで、反対の手でまた茂みを掻き分けた。


「あっ!や、やっ!はっ、だめ…っ!」


イイところを同時に刺激され、麻衣はポロポロと涙を零した。首筋に顔を埋めて舌を這わせていた俺は身体をずり上げてその涙を舐めとる。その間も刺激を緩めることはなく、麻衣の身体を揺らし続けた。


「あっあっ!ひ、ゃぁ…っ!もっ、佳正…っ!!」
「は、麻衣、きっつ…」
「あぁっ、も、イっちゃ…っ!んぁっ、は」
「…っ、麻衣、すげ…っ」


言葉通りに絶頂が近いのかガクガクと身体を震わせながら、俺への締め付けが強くなった。麻衣の身体は全てが性感帯になったみたいに俺の息がかかっただけでも反応するようになった。


「ま、待っ!あぁっ!や、もっ、変になる、ぅあっ!」
「ぅ、は…っ、大丈夫だって」
「やだ、っ…身体が…っんあ!」


俺から逃げようと身体を起こそうとするが力が入らなくてすぐにベッドへと沈んでしまう。泣きじゃくる麻衣が俺の名前をしきりに呼ぶ。


「あっ!は、っ佳正…っ!イ…っ、イっちゃ…!!あぅ、はっ!」
「…はっ、イっていいよ、麻衣」
「い、あっ!よし…っ!イ…っ、あっ、あっ、ああーっ!!」
「っ、麻衣っ!あ、…くっ」


ぐりぐりと芽を押しつぶすと腰をくねらせて、頂点へと昇りつめた。続くように数回、麻衣の奥へと押し入るとキュウキュウと締め付けるその中に吐き出した。繋がったまま麻衣に全体重を乗せて倒れこむと、小さな喘ぎ声を漏らして麻衣も倒れこんだ。


「も、重い…ぃ」
「あー疲れた」
「…私だって、ん」
「でもすげぇ気持ちいい…」


バカ、と声をあげる麻衣は早く抜いて、と俺の頭を叩く。こういうのいいなあ、と思いながら少し腰を動かしてみる。


「ひ、あっ!…佳正!!」
「はははっ、ごめんって」
「あ…っ、笑わないでっ、振動が…っ」


まだ身体が性感帯になってるのかビクビクと身体を震わせる。


「…ちょっ、なんで大き…っん!」
「…ごめんもう一回」


謝罪も籠めて麻衣に深く口付ける。明日の仕事に遅刻しませんように、と心で願いながら麻衣の熱にもう一度溺れた。




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