Voice

□蕩ける愛
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チュンチュンという小鳥のさえずりとカーテンの隙間から射し込む朝日に眉を顰めてそっと瞼を持ち上げた。今日は珍しく休みだったな、と思い出し再び眠ってしまおうと目を閉じた。だが、麻衣は午後から仕事だ、って言ってたな。ゆるゆると起き上がって隣で眠る麻衣に目をやった。俺が起き上がったことで布団は少し捲り上がり、麻衣の身体が朝日に照らされた。普段から白い肌は光を受け、もっと白く見えた。そこで俺はハと思い、自分の姿を見た。

そっか昨日はそのまま寝たんだ

昨夜から俺の家に来ていた。麻衣とはお互い忙しくて連絡もろくに取れない生活を送っていた。数日後にはLIVEも控えてるようだった。そんな中休みというか、少しだけ休みをもらった麻衣とお互いを求め合うように抱き合ったのが数時間前のこと。久しぶりだった俺は少し無茶させたかな、と苦笑いを漏らした。そしてその煌めく頬を手の甲で撫でてやると目を細めて嬉しそうにした。

…それにしても、この状態は朝からちょっとキツいな。

頬をかきながらチラリと目線を麻衣にやる。緩く握られた両手は顔の前まで持ち上げられ、横を向いて寝ているため胸は腕のせいで谷間が強調されている。この前ご飯をご一緒した杉田さんに細谷くんは性欲弱いっていうかなさそうだよね、と言われたが、彼女のこんな姿を見て何も思わない訳はなく。見てはいけないと思ってはいても目が離せないのはやっぱり俺は男ってことだ。

そんな視線を感じてか、眉を顰めて少し唸ったあとくるりと方向を変えて背中を向けてしまった。そのときに、ふるりと揺れた胸が脳内で繰り返し映しだされた。そして無駄なお肉がない背中にほっそりとしたくびれ。それに惹かれるように手を伸ばせば、可愛らしく小さな声をあげた麻衣に俺はすっかりその気だ。昨日あれだけ散々やったのに、と自嘲気味に笑い、布団へと舞い戻って真っ白な背中に吸い付いた。

陶器のように滑らかなその肌に手を這わせ、身体のラインをなぞってゆく。起きてはいないのに身動きをする麻衣にどんどん欲情していく。

もっと、もっと反応してほしい。

そんな思いがむくむくと大きくなり、這わせるだけだった手を前へと回り込ませ、膨らみの頂をキュッと摘まんだ。


「んん…っ」


身体を震わせて声をあげた麻衣に気を良くして、下の方にもするりと手を伸ばした。もう俺は止まらないみたいだ。チュと音を立てて首筋に吸い付き、痕がついたことにやばいと思いながらも両方の愛撫をやめない。ゆるゆるとした手付きで、徐々に興奮が増してゆく。相当の変態だ。


「ん、っ…佳、ま…っ」


ゆっくりと覚醒してきたのか、上と下を刺激する手に遠慮がちに添えられていく小さな手。それじゃあまるで誘ってるみたいだ。


「ん、起きた?」
「んんっ、待って…んっ」


寝ぼけた声でそう言うが、それもまた可愛くて止められない。俺は背中をべろりと舐めて、キスを落とした。


「ひゃ…っ!ん、なんっ、で…んぁっ」
「寝てる麻衣見てたら、なんかね」
「昨日あれ、だけ…んっ、したのに…っ!」


変態、と呟く麻衣の濡れきった中にぐちゅりと指を入れるとより一層高く鳴いた。


「ねっ、ほんっと…んっ、やだって…っ、仕事…んんっ」
「ここでやめる?」


既に2本になった指で大袈裟に掻き乱して、壁を擦りあげ刺激する。それに合わせて俺を締め付けてくる麻衣はもう限界なんだろう。

麻衣の肩をぐい、と引いてベッドに押し付け、上に乗り上げた。口元に手をやり、緩く開けられた口からは乱れた呼吸を繰り返す。目は虚ろで潤んでいる。ぞくりと何かが背中を走り、頭が熱くなる。


「…ほ、ほんとに?身体痛いのに…」


やはり無理させたんだな、と反省するも、今、麻衣は俺を求めている。微かに揺れる腰がそれを物語っている。


「欲しくないの?」
「……別、に」


そっぽを向いてそう言う麻衣は素直じゃなくてホント可愛い。先端を宛てがって顔を覗き込むと、期待と不安が入り混じった表情になる。

…したいけど、身体のことが気になるってところか。

だけど俺はもう止められるはずもなく。少しだけ挿れては引き抜き、麻衣を誘った。待って待って、と泣く麻衣の涙を拭ってやりキスを落とす。


「ん、ふ…っ、…や、優しく、してよ…」
「…もちろん」


目を逸らして顔を真っ赤にする麻衣にもう一度キスをした。




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