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□シルヴァラント編
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救いの塔が表れてから約1ヶ月。
自由気ままに旅をし、昨日シルヴァラント最大の街――パルマコスタに着いた。

昨日は広場を中心に見て回った。
今日はパルマコスタの街を港のほうを中心に見て歩いて行く。


「にしても、ドア総督も大したことありませんのね。
ほいほいと家宝をくれるなんてチョロイですわ〜」
「それで、アニキ!
あれはどうするんだ?」
「ばぁーか。
俺たちがあんなもん持ってても役にたたねぇだろ。
ガラクタ集めてるっていうハコネシア峠のジジイに売っぱらうんだよ」
「さっ、いくよ」

4人が街の出口に向かって歩き出した。
そして街を出るか出ないか、そんな時に彼らに声がかかる。


「ねぇ、そういう話って大声でしちゃいけないと思うんだ」

「誰だお前」
「ただの旅人。
さて、だまし取った再生の書は返してもらいましょうか」
「だまし取った?
俺たちは神子様御一行だぜ?」
「随分と高飛車な神子様御一行ね」


あからさまな溜息を吐き、呆れた視線を送る。


「なんだと!?」
「神子様御一行なら試練をこなしていくのだから、戦えるのよね?」


腰に差してある剣を抜き、相手に突きつける。


「ひぃ…」
「この程度で悲鳴をあげるの?

大人しく再生の書を出したら剣しまってあげるわ」
「こ、これだろ…?」


そう言って出された一冊の本。
表紙の文字を見て、再び溜息を吐く。


「再生の書ってたしか、大きい経典よね?
さっ、そこで頑張って隠している再生の書を出しなさい」
「…はい」


明らかにさっきの本とは違う、大きな経典が出てくる。


「確かに再生の書ね」


本を受け取り、剣を鞘におさめる。


「もうこれに懲りたら止めることね。
早く行きなさい。」


脱兎の如く自分に背を向けて走り去った4人。
その様子を、思わず白眼視する。


「さて、これはドア総督って人に返してこようかな…」


総督府へ行こうと踵を返す。


「今のではお前はまるで悪役だな」







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