ゆめにっき〜血は涙〜

□現実世界
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現実世界はとてもだるい。


秋の風が強く吹き、少し寒気がした。
やはり空を見上げては紫色が広がる。ポニーテールが印象で、あだ名がポニ子は笑顔でスキップしながら今日の放課後について語る。

『窓付きの家いい?』

『うん、どうせ親いないし。』

私のあだ名。
窓付きは多分私の服からだろう。
デザインはダサいが、1番落ち着く。
胸元に大きめの窓のようなデザインがプリントされている。

窓付き…案外いいじゃん。
私はクスクスと笑う。

『何?』

ポニ子は疑わしい目で見る。
私はなんでもないの。と、笑う。

話てるうちにあっと言う間に学校が見える。
私とポニ子は今日起こる出来事を知らずに学校に踏み出す。

静かに…静かな空気の流れ。
紫色の空は笑うように私を見つめていた。
教室に入るといつも通りにぎやかだ。

『窓付きおはよう‼』

クラスメートの何人かに言われたおはようがとてもではないが聞くたび嬉しくなる。

真っ黒な髪が揺れ、幼い髪型の女の子。

『おはよう‼モノ子‼』

モノ子は笑顔で走っておはようー!と叫び抱きついてきた。
いつも苦しい。

モノ子は真っ黒な髪に対し肌は真っ白。まるでモノクロ漫画みたいな子。っでモノ子。

『今日放課後、窓付きの家で遊んでかない?』

『あーいく‼』

私達3人は仲が良くいつも遊ぶ仲だった。

『さんせーね!』

私はいつも家には親がいなくて、つまんないがいつもポニ子やモノ子が遊んでくれるからちっとも寂しくなかった。

昔お父さんは私が産まれたと聞いて病院へ駆け寄るも、事故で死亡。
その時のお父さんの死体はもうお父さんとはわからず、皮がえぐれ何より無念だったらしい。
お母さんはいつも私とは正反対。
夜に働いて朝に一度帰宅。
しかし顔も合わせないまま仕事。
忙しいのだろう。

でもその寂しさを忘れさせてくれるのが友達だった。
笑い合い、喧嘩したり、時には泣いたり…と私にはかけがえがない友情だった。

学校つまんない。とか嘘はつく。
けど実は楽しくて気持ちが溢れそうだ。
チャイムが鳴ると入ってきた黒をベースにした格好の背の高い男。

『チャイムなりましたよ。』

にこやかスマイルを見せる、サラサラの黒髮、センターわけにしているその姿は一度は女だと思わせる。

『先生ー‼』

私は目を輝かせる。
すると先生は笑う。

『窓付きさん、おはようございます。今日も元気で何よりです。』

先生の姿を見るたびに私の鼓動は速まる。
私は多分、先生に対して恋愛感情を抱いてしまったのかも知れない。
ただそれを知るポニ子とモノ子はやれやれと私の姿に呆れるだけだった。

にぎやかな教室。
私は席についた。
いつも席の隣は窓。
あだ名に合うようにいつも私の席は何故かしら窓際。
でも嫌じゃない。
いつもこの風景を見るのが好きだったりする。
しかし今日は紫色空。

目が少し眩む。
まぶたが…静かに…

…。
『ほら、いい子よくお聞き…嫌になるなら夢を見なさい。素敵な夢を…誰もいない世界を作ればいいの…大丈夫。怖くない。大丈夫大丈夫…ほら…現実から目がそむけず、ゆっくり見返して…』

クラゲのような。その姿の男はいやらしいグロテスクな音を響かせ語り始め…















『ッ!…』

ガタンと立ち上がる…すると皆な視線が一目散に私に。
先生もチョーク片手にポカーンとしている。

『窓付き…?』

ポニ子は駆け寄る。
私は混乱した。
あれは、夢か…

『窓付きさん…?寝ぼけましたか?』

先生は笑う。
私は妙にはずかしくなり笑う。
すると皆が笑う。

妙にリアルな夢を見た。
私はクラスのざわめきが静まり帰ってもあの夢が印象深くて忘れられなかった。
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