『賢者の石』

□第4話 組分け帽子
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マクゴナガル先生が一年生の前に四本足の椅子を、その上にボロボロのとんがり帽子が置かれた。

帽子は視線を一身に受けながら口のように開いて歌い始めた。


 

 私はきれいじゃないけれど

 人は見かけによらぬもの

 私をしのぐ賢い帽子

 あるなら私は身を引こう

 山高帽子は真っ黒だ

 シルクハットはすらりと高い

 私はホグワーツ組み分け帽子

 私は彼らの上をいく

 君の頭に隠れたものを

 組み分け帽子はお見通し

 かぶれば君に教えよう

 君が行くべき寮の名を


 グリフィンドールに行くならば

 勇気ある者が住う寮

 勇猛果敢な騎士道で

 他とは違うグリフィンドール


 ハッフルパフに行くならば

 君は正しく忠実で

 忍耐強く真実で

 苦労を苦労と思わない


 古き賢きレイブンクロー

 君に意欲があるならば

 機知と学びの友人を

 ここで必ず得るだろう


 スリザリンではもしかして

 君はまことの友を得る

 どんな手段を使っても

 目的遂げる狡猾さ


 かぶってごらん!恐れずに!

 興奮せずに、お任せを!

 君を私の手にゆだね
 (私は手なんかないけれど)

 だって私は考える帽子!



歌を歌い終わると広間は拍手の渦に巻き込まれた。

レグルスは拍手をしながら、スリザリンだけ何か言い方がひどいようなと1人苦笑いをこぼした。
それにしても要求が多い。
俺は勇敢というより無鉄砲だと思うし、正しいかと言われたらそれは人によって考え方は違う。
機知は…あるだろうか?わからない、狡猾さはこれが1番当てはまるかも知れない。

マクゴナガル先生が巻紙を手にしたのを見て考えるのをやめた。

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください」


げ!俺早いじゃん…そんな顔をしていたのだろう。
レグルスはセオドールにまた小突かれた。

「セオドール…」

「グダグダいうなよ」

唇を尖らせるレグルスにセオドールはため息をついた。
ブラック家の当主の威厳はどこにいったのだろうか。
セオドールはまたため息をついた。

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