『賢者の石』

□第5話 初授業
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「見て見て」

「どこ?」

「赤毛ののっぽの隣」

「メガネをかけてるやつ?」

「あの傷見た?」

ハリーは寮を出た途端にささやき声がつきまというんざりした。
教室には迷うし、階段には苦労する。
ハリーは散々な思いをしていた。

「その前を歩いてるのはブラック家の」

「美形だよね」

「声かけてみようかしら」

そんな中同じようにささやき声につきまとわれている前を悠々と歩く親友を見た。

本人はこういうのは昔からだったらしく気にしていないようだ。

早く慣れなきゃいけないとレグルスの背中を見ながら不安げにため息を吐いた。




レグルスはスタスタと人込みをかき分けながら変身術の教室についた。
ハリーとロンは遅かったのでもう置いてきた。

一番乗りだろうと思っていたのだがどうやら先客がいるようだ。

「ハーマイオニー早いな」

「あら、レグルス。あなた1人なの」

「途中まで一緒だったんだが人込みに流されてはぐれた」

「待とうとは思わなかったの?」

「授業に遅れたくないし、変身術は結構楽しみなんだ」

「それには私も同感だわ。興味深いわよね」

「ああ、そうなんだ。あ、隣いいか?」

「え…ええ!もちろんよ」

少しおどおどしながらハーマイオニーは隣に置いていた本を退けた。

レグルス隣に腰を掛けながら退かした本を横目見た。

「その本って図書館のか?」

「え、ええ、そうよ」

「ふ〜ん、俺ん家にもあるな…この本」

「レグルスの家にもあるの?」

「ああ。結構俺の家って魔法界でも名が通ってるからさ。魔法関連の本ってたくさんあるんだよ」

「興味深いわね…」

「俺も全部は見れてない……というかまだ見せられないらしい。闇の魔術の本とか多いからさ」

それからレグルスとハーマイオニーと本についてマクゴナガル先生が来るまで語りあっていた。



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