私の携帯は水泳男子。

□充電方法
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「疲れた。」

「お疲れ様。」

「意外と普通に携帯。」

「携帯だしね。」

「あ"ぁーー」

「忘れてた?」

「色々必死でそっちのけだったから」

「小さい文字と格闘してたからね。」

「……………」

「ん?」

「……………」

「え?」

「なんか、まこちゃんも疲れてるよね?」

「あ、いや、その…」

「……充電?」

「う"、実は。」

「充電方法は?コードはたしか、あれ」

(充電方法、言わなきゃ…)

「コードはどこに指すの?口?耳?鼻?」

(…言わなきゃ、言わないと死活問題だ。)

「まさかお尻?」

「え?!」

「だからコードを指す場所。」

「だからってお尻はないよね。」

「やっぱり、口か耳か鼻?」

「鼻は痛いからやめてください…コードはないよ。」

「だよね、見つからない。」

「その、落ち着いて聞いてください。」

「今さら焦らない。」

「そうだよね。その、充電方法は、その…」

「……」

「えっと、ですね」

「真琴」

ドキッ

「は、はい。」

「ビックリしすぎて今、頭の中が真っ白なの。」

「はい」

「でもね、嫌とは思わなかった。」

「!」

「真琴は?」

「俺も、」

「じゃあ、ちゃんと教えて?」

「分かった。その、充電方法は、



ハグ、です。」






「分かった。」

「だよね。普通にひくよね。俺もそう、え?」

「ハグでしょ?私が抱きつけば良いの?」

「待って待って、驚かないの?!」

「大丈夫、今日一番の驚きは買った携帯が人型だったことだから。」

「あ、そっか。」

「あ、」

「ん?」

「自分から行くのは恥ずかしいからまこちゃんから来てね。」

「あ、はい。じゃあ、」

「よし、こい!」

ギュッ

「どう?」

「…すごい」

「え?」

「すごく暖かい。」

「…そっか。顔色よくなったね。」

「こんなに、速く…」





充電方法


(性別は男子なんだよね?)

(女の子に見えたの?!)

(携帯に性別が存在するのかなって。)

(たしかにね。)

(名前、女の子みたいって言った手前聞けなくて。)

(はは、そうだったね。)

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