Morning Glory(サンジ)

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港近くの宿に落ち着いて、食事をするために下の酒場に行った。
まだ早い時間にもかかわらず賑やかに飲んでいるグループがいて私の目を引いた。
聞き耳を立てなくても大騒ぎで聞こえてくる楽しそうな声はしかし、彼らが海賊だと教えてくれた。


素知らぬ顔で自分の食事を取りながら考える。
私から何もかも奪った海賊から、奪い返す手はないかと。


騒いでいる様子だけ見ると、彼らはそれ程タチの悪そうな連中ではなさそうだった。
死んだところで惜しんでくれる人もいない。どの道仕事が無ければ生きて行く事もできない。私は決心して席を立った。




「…あの、すみません。」


「ん?なんだ、おめえ。」




私の声に、両手に肉を持った麦わら帽子をかぶった男が振り返った。他の人たちも探るような目で私を見ている。
恐怖に負けそうになる気持ちを奮い立たせて私は口を開いた。




「私を雇っていただけませんか?」



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