Morning Glory(サンジ)
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「…サン…ジ…さん、あ、あの…。」
「リリスちゃん…。」
キッチンの片隅で私はサンジさんに抱きすくめられていた。
夕食も終わりクルーはそれぞれ部屋に引っ込んだ。片付けの為に残ったキッチンには二人きり。
「乱暴してごめんな。でも、俺…リリスちゃんの事がクソ好きなんだ。
好きで好きで…どうにかなっちまいそうだ。」
「サンジ…さん?」
突然の告白に私は戸惑い恐る恐るサンジさんを見た。
サンジさんの、常々自信満々に余裕のある顔は真っ赤で女性にハートを飛ばしている目は怖いほど真剣で揺れていた。
真摯な眼差しに射抜かれて胸がドキンと高鳴る。
同時に、自分がこれ以上サンジさんに惹かれないようにと彼を避けていた事が、結果的に彼を傷つけていたのかと胸が痛んだ。
「…か、からかうのはやめてください。サンジさん、いつもそんなことばっかり言って…。」
「からかってなんかいねえ。本気だ。」
ハッキリと言ったサンジさんの言葉を理解して心臓が煩い。
思わず自分も好き、と言ってしまいかけて我に帰った私はハッと口を噤んだ。
「リリスちゃんは?俺のこと、好き?」
「…わ、たし、は…。」
眉を下げて探るように見つめるサンジさんの目に私は切なさが募った。
思いの丈を吐き出してしまいたい。けれど、それをしてしまったら自分がもうこの船に居られないと私は思い詰めていた。
「なあ、聞かせて?」
「私…は……ごめんなさい。」
「嘘だね。」
「え。」
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