Morning Glory(サンジ)
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それからしばらくの間、私は医務室のベッドに安静を強いられた。
クルーの皆さんが入れ替わり立ち替わり様子を見にきてくれたから退屈することはなかったが、仕事もせずに寝ているおかげで色々と考える時間が増えた。
「姉ちゃん、俺だ。入るぜ。」
「あ、はいどうぞ。」
今日もボンヤリと物思いに耽っていると、フランキーさんが来てくれた。
「傷の調子はどうだ?」
「だいぶ痛みも無くなりましたけど、動かすとちょっと。」
「そうか。だろうと思って見ろ!スーパー!な肩固定ベルトだ!
これなら左腕を動かさなくてもホウキが扱えるぜ!」
「私に…作ってくださったんですか?」
差し出された道具に私が驚いてフランキーさんを見上げると、彼は腕組みしてニカっと笑った。
「みんな姉ちゃんが良くなるのを待ってるからな。ああでも無理すんなよ、ゆっくり休んでちゃんと治さなきゃあな。」
「…はい、ありがとうございます…。」
「…っておい!泣くこたぁねえだろう!参ったな。」
「す、すみません。」
フランキーさんの気持ちが嬉しくて思わず涙ぐむ私にフランキーさんが慌てた。
涙を拭いて落ち着いた私にフランキーさんはちょっと探るように話しかけて来た。
「なあ、なんか悩み事でもあるんじゃないか?」
「え?」
突然の事に戸惑う私にフランキーさんは言いにくそうに言葉を続けた。
「前々から言おうと思ってたんだがよ、ゆっくり話する暇も無かったからな。
お前、心から笑ってねえだろ。」
「そ、そんな事ないです。私は…。」
内心ギクリとして慌てて笑顔を作った私にフランキーさんは苦笑いした。
「ほらその顔だ。性分なのは仕方ねえが、ちょっとばかり俺たちに遠慮し過ぎじゃないかと思ってね。
俺に話しにくいならコックに相談してみな。あいつなら………おい、リリス大丈夫か?
…アァ何だよそっちが原因か。」
フランキーさんの言葉にハッとして顔を抑えた。焦る私を見てフランキーさんが楽しそうに笑っている。
「心配すんな、誰にも言わねえよ。
っつーかもう悩む事はないだろう?コックだって姉ちゃんの事…。」
「おう、邪魔するぜ。」
察しの良すぎるフランキーさんにどんな顔して良いか分からず俯いていると、不意にゾロさんが入って来た。
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