Morning Glory(サンジ)
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朝一番で浴室の掃除をする。
それからキッチンで朝ご飯の準備を手伝ってから、みんなと朝食。そして片付け。午前中は洗濯をして、お昼を挟みながら船内を順番に掃除。
おやつを食べたら洗濯物を取り込んで、畳んで仕分ける。アイロンが必要なものにはアイロンを。
これが私の仕事。
各部屋を掃除しながら私は船内の要所要所を頭に入れた。
クルーの毎日の行動パターン。どこに何時、誰がいるか。何を奪い、いつ逃げるか。
全てを奪うためには何が必要か。
何食わぬ顔をしながら箒とバケツを持って歩く。ふとゾロさんとすれ違った時、ギロッとすごい目で睨まれたかと思うと私は壁に押し付けられた。
「…っ、ゾロ、さん?」
「てめえ、何を探ってやがる?」
「な、に…。」
本気だ。
心の底まで見透かされそうな彼の瞳に背筋が凍った。
「私は何も…お掃除をしているだけで…。」
「嘘つくんじゃねえ。掃除だけならなんでそんなにあっちこっち探るような目で見てやがる。
何が目的でこの船に乗り込んだ。言え!」
ギリ、と手首を掴む力が増して持っていたバケツが落ちてカランと音を立てた。痛みに顔を歪めるとドカンと音がしてゾロさんの手が離れた。
「てめえクソマリモ!リリスちゃんに何しやがる!」
「ああ?やんのかコラ!」
「…サンジさん?」
へたり込む私の目にゾロさんに足蹴りを繰り出すサンジさんの姿が見えた。
狭い廊下で本気でやり合う二人に、私は慌てて止めに入った。
「止めてください!こんな狭い所で…船が壊れちゃいますよ!」
「けどリリスちゃん!この緑頭が君に酷い事を!」
「ああ?俺はこの女が怪しい事しやがったから聞いただけだ!」
お互いに怒鳴り合って二人は睨み合う。私ではどうにもならず困っていると二人に拳骨が飛んだ。
「何してんのよあんたたち!いい加減にして!」
「ナミさん!」
騒ぎを聞いたのだろう、ナミさんが腕組みしてタンコブを作ってしゃがみ込む男二人を見下ろしていた。
「んナミすわん!クソマリモがリリスちゃんに酷い事しやがったから!」
「そうなのゾロ?」
「…ちっ。知るか。」
ナミさんに睨まれて、ゾロさんは私をひと睨みしてその場を後にした。
はあっと息を付いて立ち上がろうとする私に手が差し出された。
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