Morning Glory(サンジ)

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昨日遠くから見た海賊船。
サンジさんに連れられて、近くから見上げるとその大きさに緊張した。


他に仲間がいると言ったサンジさん。
酒場にいた人たちは良い人そうだったけれど、船に残ってる仲間がどうかなんて分からない。
我ながら自分の無鉄砲さに今さら怖くなって繋いだサンジさんの手をきゅっと握った。




「リリスちゃん、怖いかい?」




私の変化を感じ取りサンジさんが声をかけてくれた。私はと言えば情けない事に返事もできずに立ち止まったまま。
サンジさんは薄く笑うと私の顔を覗き込んだ。




「なあリリスちゃん、やめるなら今だぜ。
俺たちは海賊だ。ひとたび海に出ちまえば明日の命の保証もねえ。君まで無駄な危険に晒しちまう。」


「…だい、じょうぶです。ありがとう、サンジさん。」




彼の優しさが伝わって緊張が解れた。覗き込む碧い瞳に微笑み返して帽子をかぶり直す。
サンジさんは驚いたように瞬きしてから二カッと笑った。




「そうかい。ようこそプリンセス、サウザンド・サニー号へ!」




見上げた船べりには昨日の皆の顔。
私は改めて深々と頭を下げた。




「来たわねリリス!
ちょっとルフィ、紹介しなさいよ。」


「あー?めんどくせえなあ。
ゾロとフランキーだ。んでこれがリリス。仲良くしろよ!
サンジー!飯ーっ!」


「おいおいそんな紹介があるかよ。
よろしくな姉ちゃん。船大工やってるフランキーだ。
姉ちゃんのベッド、作っといたぜ。」


「あ、ありがとうございます。リリスと申します。
一生懸命働きますので、よろしくお願いします。」




甲板で、ナミさんに言われて渋々二人を紹介するルフィさん。どうやら仲間はこれで全部らしかった。
フランキーさんは気さくに笑いかけてくれたが、ゾロさんはギロリと音が立つほどのキツイ睨みをきかせてきた。




「てめえ、怪しい事しやがったら叩っ斬るからな。」


「は、はい。」


「ゾロもそんなにおどかさないの。
ねえリリス、荷物置いたら船を案内するわ。ついて来て。」


「はい。」




苦笑するナミさんに手を引かれて私は船内へ入って行った。



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