奉納品
□手袋(サンジ)
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上陸した島は娯楽の宝庫だった。
海賊も一般市民も関係なく歓迎され、麦わらの一味はそれぞれ思い思いに興味のある場所へと繰り出した。
「へェ、パーティね。」
「あら素敵。コックさん、行ってきたら?」
街のあちこちに貼られたポスターには市長主催によるパーティの文字があった。
買い出しがてらブラついていたサンジがふと足を止めるとロビンが声をかける。
「いいねェ。ロビンちゃん、ご一緒していただけますか?」
「残念だけれど、私は行きたいところがあるの。航海士さんは?」
「ナミさんならカジノから出てきませんよ。」
サンジが肩をすくめて見せるとロビンはふふふと笑って歩き出した。
「じゃあ一人でごゆっくり。」
「そうだな、ロビンちゃんも楽しんで!」
一旦船に荷物を降ろし再びサンジは街へ向かった。パーティを覗いてみるべく、普段のスーツは脱いでタキシードに着替え、手には白手袋まで準備した。
のだったが。
「…ちっ、ルフィのやつまぁたやらかしたな?」
メインストリートの向こうから近づいてくる騒ぎの気配にサンジは舌打ちすると、いささか荒っぽく白い手袋を口でぐい、と引っ張って外し走り出した。
「おーっ!そこにいたかサンジ!逃げろーっ!!」
「毎度毎度何やらかしてやがんだこのクソゴム!!」
「まあいいじゃねェかー!野郎ども!出航だーー!!」
間も無く見えてきたサニー号。船べりには早く早くと手を挙げるナミが見えた。
追われているというのにやたら楽しそうなルフィと共に、サンジもまた笑いながら港へと走って行った。
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