それは甘い20題

□19.甘噛み
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その時私は確かに酔っていた。そしてお腹もすいていたと思う。


だから、サンジが作り出すデザートのケーキが目の前で美しく仕上がって行く様子を見たら食べたくて食べたくて…。





「…え?リリス?」




気が付いたら生クリームの付いたサンジの指をぱくりと咥えていたのだった。




「…旨い?おれの指。」


「ん、ぉいひぃ。」




生クリームは確かに美味しくて堪らなかった。返事をしてからハッとしてサンジを見ると、ニヤリと何か企んだような笑顔をしていた。




「リリスはエロいなあ。」


「ご、ごめんなさい。あんまり美味しそうで、つい…。」


「へえ、ケーキが?それとも、おれの指が?」




私が自分のしでかした事に真っ赤になっていると、サンジはボウルに残った生クリームを指でひと掬いして、私に差し出してきた。




「もう一口いかがですか?プリンセス。」




台詞はいつも通りなのに、その声音には有無を言わさない迫力と色気があった。そんなサンジと目を合わせた、酔った私に逆らえる筈もなく、差し出された彼の手を掴んで生クリームの乗った指先にそっと舌を這わせた。




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