それは甘い20題
□18.36℃
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深夜の倉庫に響くのは甘い吐息とベッドが軋む音。
一際高い声が上がった後倉庫には再び静寂が訪れた。
「は、ぁ…サンジ…。」
「リリス…クソ可愛い。」
熱を放った後の気怠いため息交じりに互いの名を呼びキスを交わす。
きゅっとサンジの首に巻いたリリスの腕はしかし、離れようとしなかった。
「リリス?」
「…ん、ごめんなさい。」
促されてゆっくり腕を解いたリリスの頬にキスを落としてサンジは身体を離した。後始末をしてベッドの端に座り、タバコに火をつける。
ふうっと大きく煙を吐き出した後、床に脱ぎ捨ててあったシャツに手を伸ばした時、背中にリリスの体温を感じてサンジは手を止めた。
「リリス?」
「…うん。」
リリスはサンジを抱き締めるでもなく、黙ったまま彼の背中に頬を付けてそっと寄り添っていた。
熱が引きつつある身体にそこだけが未だ熱くてサンジはふっと笑った。
「今日は甘えん坊だな、おれのプリンセスは。」
「…もうちょっとだけ…こうしていてもいい?」
小さな声で強請るリリスが可愛くて、サンジはくくっと喉を鳴らした。
「だめ。」
「え。」
拒絶の言葉にリリスの身体がピクンと揺れた。そしてそっとサンジから離れると自分の服を探して手を伸ばした。
「ごめんなさい…すぐ部屋に、戻るから。」
微かに震える声が彼女の動揺を伝えてきた。サンジはリリスの腕を取ると向かい合わせになるように引っ張って抱き締めた。
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