それは甘い20題

□06.視線
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【ロビンの場合】


デッキで本を読む私の視界の隅で動いていたリリスの姿がピタッと止まった。何事かあったかと彼女の方を見たら、洗濯物を手にしたまま何処かを見つめている。


その視線を辿れば、ああ、なるほど。




「おいこらルフィ!てめぇまた倉庫荒らしやがったな!?」


「ずびばでんでじだ。」




めったにキッチンから出てこない王子様を見つけたようだった。ほほ笑むリリス、幸せそう。


私が見ているのに気が付いたのか、リリスは赤くなってしまった。誰も咎めないのだから恥ずかしがる事はないのに。




「ロビンちゃん、お茶のおかわりでも?」




王子様ったら私よりもリリスを優先させなければ。二人とも職務に忠実なのはいいけれど、リリスは一日中掃除や洗濯でじっとしていないし、コックさんはキッチンから出てこないし。これではゆっくり話もできないのじゃない?




「いいえ、けっこうよ。
それよりコックさん、リリスが何か手伝って欲しいみたいだったけど。行ってあげたら?」


「え?リリスが?
何だろうな、サンキューロビンちゃん!」




王子様は首をかしげながら、でも嬉しそうにリリスの元へ行った。リリスはびっくりしたのか二人でこっちを見ている。
仲間の間で嘘はいけないのかもしれないけれど、こんな嘘ならたまにはいいでしょう?
お邪魔にならないように私は移動しようかしら。


私は可愛い二人に手を振って図書室へ向かった。コックさんは私の意図に気付いたようでリリスの肩を抱いたまま嬉しそうに手を振っていた。




「おーいサンジ!腹減ったぁ!!」


「船長さん、もうすぐお昼よ。我慢なさい。」


「わっ!ロビンヤメろ!わーっ!!」




コックさんに駆け寄ろうとする船長さんを能力で拘束して狙撃手さんと船医さんのところに放り込んだ。
しばらくデッキには誰も出ないように言っておかなければね。




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