初恋
□07.会えない
2ページ/9ページ
自分の部屋に戻ったフェイタンは、ソファに乱暴に体を預けた。
「ハァ…」
ユウが仕事に出てから何度目の溜め息だろう。
重症ね……
と自分でも分かっていた。
けれど、分かっていても寂しさは次から次に湧いてくる。
ふと自分の部屋を見渡すと、
ユウと一緒に灯した赤いキャンドル
ユウが置いていったクッション
ユウのくれた本
この部屋にあるユウの跡は、いつもなら嬉しいはずなのに、今は寂しさを助長させる。
だから、部屋にいたくなかたね…
寂しさを紛らわそうと、フィンクスの部屋でめっきりやっていなかったゲームをしていたのだった。
一人で本を読んでいてもつまらない。
ユウに会うまではそんな事思ったことなんて無かった。
そうして、また1週間が過ぎていった。
君に出会ってから、一人の過ごし方を忘れてしまった。