初恋

□08.期待してしまう
2ページ/8ページ

「…ん」
眩しい朝の光でフェイタンは目を覚ます。
…ワタシ昨日仕事行て…
寝ぼけて頭が回らないが、身体を動かそうとした瞬間、傷口の痛みで思い出した。

「…っつ」
重くだるい身体をなんとか起こそうとした。


「フェイ!!!まだ寝てなきゃダメだよ!!」
突然響いたユウの声。

驚いたフェイタンが声のした方を見ると、ユウがベッド脇の椅子に腰掛け、心配そうにこちらを覗き込んでいた。

「ユウ…!
いつからいたか!?」

「昨日の夜から」
ユウは平然とニコニコと答える。



じゃぁ…
「…寝ずに看病してくれてたか?」
ユウがそれ程心配してくれてたかと思うと、思わず顔が弛んでしまいそうになる。

「フェイはそんなの気にしなくていいの!!
パクが朝ご飯用意してくれてるみたいだから、持ってくるね♪」 
そう言ってユウはフェイタンの部屋を後にした。


ユウが、ずと一緒にいたのか…

嬉しいやら、照れくさいやら何とも言えない気持ちになる。


ワタシが仲間だから心配してくれてるか?
それとも・・・?


淡い期待がフェイタンの中を駆け巡る。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ