初恋
□08.期待してしまう
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「…ん」
眩しい朝の光でフェイタンは目を覚ます。
…ワタシ昨日仕事行て…
寝ぼけて頭が回らないが、身体を動かそうとした瞬間、傷口の痛みで思い出した。
「…っつ」
重くだるい身体をなんとか起こそうとした。
「フェイ!!!まだ寝てなきゃダメだよ!!」
突然響いたユウの声。
驚いたフェイタンが声のした方を見ると、ユウがベッド脇の椅子に腰掛け、心配そうにこちらを覗き込んでいた。
「ユウ…!
いつからいたか!?」
「昨日の夜から」
ユウは平然とニコニコと答える。
じゃぁ…
「…寝ずに看病してくれてたか?」
ユウがそれ程心配してくれてたかと思うと、思わず顔が弛んでしまいそうになる。
「フェイはそんなの気にしなくていいの!!
パクが朝ご飯用意してくれてるみたいだから、持ってくるね♪」
そう言ってユウはフェイタンの部屋を後にした。
ユウが、ずと一緒にいたのか…
嬉しいやら、照れくさいやら何とも言えない気持ちになる。
ワタシが仲間だから心配してくれてるか?
それとも・・・?
淡い期待がフェイタンの中を駆け巡る。