初恋
□04.メールをする
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ユウから初めてのメール。
仕事の内容だろうと分かっていても、フェイタンの心臓は跳ねた。
from:ユウ
to :フェイタン
title :no title
フェイー!
明日こっち来てくれるんでしょ?
よろしくね♪
私とフェイならあっという間に終わるよ!
何でもないメールだが、一週間ぶりにユウとのコミュニケーションは、フェイタンの胸を熱くした。
メールを読んでいるとユウの姿や声が頭の中に自然と描いてしまう。
あまりメールをしないフェイタンは慣れない手つきでメールを作る。
from:フェイタン
to :ユウ
title :Re:
明日の朝行く。
よろしく。
状況は?
自分で見てもそっけないメールだ。
ユウを気遣ったり、和ませたり気の利いたこともメールに出来ればいいんだろうが、とてもじゃないがフェイタンにはそんなことが、出来なかった。
ピ…送信
メールを送ってしまえば、待ってしまう自分がいる。
気にしなければいいのに、そう出来ない自分が悔しくなる。
ピピピ
from:ユウ
to :フェイタン
title :Re:Re:
メールそっけなー笑
まぁ、フェイらしいか。
敵は5人!!
全員念能力者だけど、相手になりそうなのは2人ってとこかな。
こっちは強化系と操作系だよ。
……敵は5人か…
あくまでこれは仕事のやり取り。
与えられた任務はきちんと遂行しなければならない。
メールのやりとりをするうちに、明日5人の中のリーダー的な存在が敵のアジトに戻ってくるらしい。
そこを一気に狙うとユウは言う。
合流地点は敵のアジトのから、700m程南へ離れた所。
一通りの連絡は終えた。
なんとも味気ない仕事の連絡ではあった。