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□戦闘狂の恋人達
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それから1ヶ月して、私は結局のこのことやってきてしまった。
約束したわけでも無いのだから、来なくても良かったはず。
ただ負けたままが嫌なのと、あの男の真意が知りたかったから。
「遅かたな」
その場所に先に着いていた男にギロリと睨まれた。
「時間なんて決めてなかったじゃない」
こいつ、どんだけ待ってたの?
言葉が返せなくて、悔しそうな顔してるのがちょっといい気分だ。
「ねぇ、ちょっと聞きたいことあるんだけど」
「何か?」
「あんた名前何て言うの?」
自分の名前を知られているのに、相手の名前を知らないのは面白いものじゃない。
そんな事を聞かれると思って無かったのか、男は一瞬呆けた顔をした。
こいつ幻影旅団のくせに、こんな顔もするんだ。
「…フェイタン」
意外に素直に応えた。
「そう、じゃあフェイタン
この前の続きといこうか」
私は身体に力を込めて、オーラを充満させる。
「望むところね」
フェイタンはさして構える様子も無く、私の出方を待っているようだった。
それから、何度も何度も念がぶつかり合い、それなりにお互いの身体に傷もついた。
痛みもあるのだろうけど、それ以上にフェイタン強さにゾクゾクする。
殺し合いをしているはずなのに、私の気持ちは弾んで心地いい。
こんな強い相手とまた戦えるなんて。
1ヶ月間更に、腕を磨いたつもりだが致命傷を与えられない。