short

□十五夜
3ページ/6ページ

「確かに綺麗な月ね」
うっとりとそれを仰ぐパクノダ。

「そうだな…こういう空の下で飲む酒っていうのもいいもんだな」
同じ空を見上げて、クロロもその美しさを堪能していた。


「おー確かにでっけー月だな!!」
一瞬だけ空を見たと思ったら、また酒をガブガブと飲み干すウボォー。

「あーー私が頼んだお酒コレじゃないよー」

「って、シズク僕の頼んでた酒飲んでるじゃん!!」

「あいつら、ちゃんと団子作れてんのかよ」

もう言いたい放題だった。


「みんなお待たせー!」
ユウが屋上へと駆け上がってくる。

その後ろをフェイタンとマチが続いてやってきた。

「はい!みんな食べてね」
バッとみんなの目の前に出されたものは…


丸くて、中に甘いものが入って、薄い皮で包んである。


「ユウ…コレ…


シュークリームよね?」

パクノダが、念のため確認する。


「あーーー!!
もう全然違ぇよ」
がっかりして、頭をうなだれるノブナガ。

「やっぱ………違った?」
ユウは苦笑い。

その様子にフェイタンがユウの前に出てやる。
「団子が無くても、月見は出来るね。
ユウの作たシュークリームが食べれないか?」
ジロリとノブナガを睨む。


ノブナガは諦めて、
「俺も丸投げして悪かったしな」
とシュークリームに手を伸ばした。

「そうだよ。
ありがたく食べな」
とマチの威圧感も凄かった。

全員にシュークリームが行き渡って、一口食べて味を絶賛していた。




「まぁ、変な飲み会だが、なんだか面白いもんだな」
クロロは団員皆とこうしているのを、優しい笑顔で見渡していた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ