水色ガールフレンド

□06.恋人の要求
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状況が飲み込めずにボーッとしていると、フェイタンが私の部屋のクローゼットを全開にして中身をバサバサと床に放り投げた。

「フェイタン、何してるの?」
私もベッドから降りて、側に寄る。

「ハ?ここの物、ワタシの部屋に持て行くに決まてるね」
さも当然のような顔をしながら、動かす手は止めない。
もうフェイタンの中では決まってることらしい。

「シオリ…もと色気のある下着つけるよ」
そう呆れるように言いながら、フェイタンが引っ張り出してきたのは、私のフリルのついたピンクのブラ。

「きゃあああっ!!
もう自分でやるからーー!!!」
慌ててフェイタンの手から奪い返し、背中に回して隠した。
またもやフェイタンのペースに完全に飲み込まれてしまっている。

でも、私の中で一つの疑問が。
私がもっと好きになるのを待ってくれるっていう話をしたんだけど…。
フェイタンの強引な行動がよく分からない。

「あの〜…フェイタン。
この前の話で、私の気持ち待ってくれるんじゃなかったっけ?」
「?待つね」
なんだか会話と行動がかみ合ってないような…。

「何もせずに、じと待つとは言てないね」
目を弓なりに細めて、楽しそうにフェイタンは笑った。
その返事にくらりと眩暈がするような感覚がした。


相手はこのフェイタンなんだ。
大人しく待つだけなんていう性分なわけがない。

欲しいものは何がなんでも手に入れる。
…そうですよね団長…。

「でも、どうして同じ部屋にするの?」
基本的には、毎日同じアジトにいるわけだし別々でもいいような気がする。

「いしょ(一緒)にいれば、シオリはワタシをもと知れるね。
そしたら、ささと好きになるよ」
つまり一緒にいる時間を増やして、フェイタンのことを知っていこう作戦ってことらしい。

「…文句あるか?」
ジロリと睨んで、こちらに有無を言わせない迫力がある。
この怖さだけはなかなか慣れない。

「文句じゃないけど…、色々恥ずかしいです」
着替えとか寝るときとか。
色々想像すると、それだけで恥ずかしくなってくる。
意識したら、変に敬語になってしまった。
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