眠れる森

□1.出会い*
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既にその役目を果たせなくなった程に、愛液にまみれたショーツを引き剥がす。
フェイタンも自分の服も脱ぎ捨て、自身を女の秘部へと押し当てた。

「…もう、いい頃合いね」
そう告げると一気に奥へと貫いた。
「──っ!!」
女は声にならない声をあげ、先程とは比べものにならない快感に身をよじらせる。

その様子にかまわず、フェイタンは腰を打ちつける。
自身に絡みついてくる女の内部に、フェイタンも息を荒げて快楽に酔いしれていた。

殺すには惜しいくらいね…。
しっとりと滑らかな肌に、その艶めかしい姿に思わず見惚れる。


女の上気した頬に、汗で張り付いた黒髪を指でどかしてやった。
隠れてしまっていた女の瞳が、フェイタンを捕らえる。

快楽を訴えるその体や声とは裏腹に、その瞳はまるで遠く離れた場所を見つめるように虚ろに見えた。

「はぁ…ぁっ」
相変わらず響く、女の声はまるで別人のように聞こえる。

考えるよりも先に体が動いた。
こちらを見ろと言わんばかりに、フェイタンは動く体は止めずに激しく口づける。
女は快感と息苦しさに、顔を歪める。

いつもは快楽さえあれば、それで良かったのに…何を求めている?

「ぁっ…もぅ…ダメぇ!!」
自分の中によぎった思いをかき消すように、フェイタンは激しさを増し、女の体に欲を吐き出した。



はぁはぁと胸を上下させて、女はぐったりとフェイタンの腕の中にその身を預けていた。

事を終えると、フェイタンは冷静さを取り戻して、いまよぎった考えは一瞬この女にほだされそうになっただけだと、気の迷いとして片付けることにした。


腕の中にいた女は、まだ快楽の余韻を漂わせた表情で話しかけてきた。
「フェイタン、また…来てくれる?」

これだから、女というものは面倒だ。
一度関係を持ったら、次から次へと要求をしてくる。
幻影旅団として、万一にも何かが起こらないようにとの配慮もあったが、フェイタンにとって相手をした女を殺すのはこれが一番の理由だった。

まぁ…
もう一度くらいなら、この女なら抱いてみても良かったかもしれないと、らしくないことを一瞬思った。
けれど、それだけのこと。
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