眠れる森
□1.出会い*
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サイドテーブルに飲み干したカップを置いた。
それが合図。
フェイタンは女の長い黒髪を撫で、そのまま頬へと手を滑らせる。
その親指は、形の良い唇をそっとなぞった。
女は何を考えているのか分からないが、表情も変えずにされるがままだった。
フェイタンはその唇に自分のそれを重ねた。
拒否をするわけでもなく、女は受け入れるかのように目を閉じる。
「フェイタン…髪乾かしたら?」
薄く目を開けた女は、その手をフェイタンの濡れた髪へと差し入れて頭を撫でる。
「待てないね」
勢いがついた欲を止めるなんて、野暮なことだ。
「それに…
誘てきたのはお前の方ね」
こんな夜更けに自分に声をかけてきた、お前のせいだ。
唇を割って差し入れた舌が絡み合う。
段々とお互いの息が上がって、そのままベッドへとしなだれかかった。
女に覆い被さる形となったフェイタンは、その唇を首筋から鎖骨へとなぞっての上から胸元の突起を舌で弾いた。
「ぁっ……!!」
「いい声ね」
感度は良好。
今夜は楽しませてもらえそうだ。
邪魔だとばかりに、フェイタンは女のワンピースのような形をした肌着を乱暴に脱がせる。
女の体を隠すものはショーツだけ。
胸の突起を唇で弄びながら、右手を太ももの間に差し入れる。
柔らかく、すべすべとしたその肌により一層、自身の熱が高ぶるのを感じた。
「んっ…はぁ…」
フェイタンは、中指をショーツ上から秘部を押しつけた。
その奥から感じる温かい湿り気に、フェイタンは満足げに口角をあげる。
「ハ…もう入れてもいいくらい、濡れてるね」
「まだっ…ダメ…」
女の快感に歪めたその表情に、もっと乱れさせたいとの欲求が湧いてきた。
ショーツの隙間から指を侵入させ、まずは一本とゆっくり秘部に差し入れた。
「んっ…!」
直接触れられて、びくんと女の体が跳ねた。
次は二本と、かき混ぜるようにして押し込んだ。。
「ああんっ!!」
自分の大きな声に恥ずかしさを覚えたのか、手で顔を覆った。
「顔を見せるね。
その表情…たまらないよ」
女の手首を掴んで、顔から引き剥がす。
その恥じらう表情は、男としての被虐欲をひどくそそる。