初恋

□06.小休止
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雨の降る午後。
今日は仕事も無くて、こんな日は読書日和。


ゴンッ…ゴンッ……

ノックの音にしては、鈍い音がドアから響く。
不審に思ったフェイタンは警戒しながら、扉を開いた。


「あ、開けてくれた!
フェイありがと〜」
と声がしたがユウの顔が見えない。

「……それ何か?」
ユウの顔を覆っている物にとりあえず疑問を投げるフェイタン。

「え?クッションじゃん」


……見たら分かるね……

「ソファに長く座ってると体痛くなっちゃうから、使ってないクッション持ってきたの!!」

そして、腕には読書のお供だろう、ドリンクも抱えられていた。


……だから、ドアを無理に開けようとぶつかてたか……

自分を呼べばすぐに開けたのに、意固地になって開けようとしたのだろうが、フェイタンにはそれすらユウが可愛く思えてしまう。

そして、クッションとドリンクの量から、今日は1日中ユウと過ごせることを確信した。




テーブルに散らばった読みかけの本や、屋上で使った赤いキャンドルの残りを端に寄せて、2つのコップにドリンクを注いだ。


そしてユウはソファの上にクッションを設置して、ああだこうだと角度を調節した後大人しく座った。



午後14時05分  読書開始
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