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□曼珠沙華
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貴方と巡り会える夢を見るまで

何度だって眠りにつくから








むかし、むかしのお話。


フェイタンは用心棒の仕事のため、ある村へ向かっていた。

村の要人を、別の村まで送り届けるというもの。
フェイタンにとっては、張り合いが無いような内容だった。

村へと差し掛かると、余所者を疎ましく思うような視線。
小さな村独特の閉塞感にフェイタンは居心地悪さを覚えた。


「きゃあっ!!」
「金は払ったのに、予知出来ないってどういうことだよっ!!」

突然聞こえた少女の悲鳴と、粗暴な男の怒鳴り声。

フェイタンは声のした路地裏へと向かう。

「…ごめんなさい。
見たい夢が必ず見れるわけではないんです。
奉納金は、私から村長に相談してみます。」

「約束と違うじゃねーかよ!!」



五月蝿いな・・
フェイタンはイラついて仕込み刀を抜く。
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