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□2度目の恋
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「クロロの馬鹿ぁ〜…」
本日5度目の台詞を吐きながら、ユウは一気にウォッカを飲み干した。
「お前、飲みすぎね」
フェイタンは半ばヤケになっているユウを諫める。
「だってさぁ…初恋だったんだよ?
飲まなきゃやってらんないよー…」
強がっていても、その声は若干潤んでいた。
ユウはクロロやフェイタンの幼なじみで、旅団の結成メンバーの一人だった。
「10年以上の恋も一瞬で終わっちゃうものなんだね」
今までを振り返るように、寂しい目をしながらユウは呟いた。
小さい頃から、ずっとクロロだけを見てきた。
いつも自分の前を歩いていく、クロロの背中を追いかけてきた。
今日は長年の片思いに終止符を打とうと、意を決して告白したのだ。
なのに。
「お前のことは、仲間として大切に思ってる。
それ以上でも、以下でも無いんだ。
悪いが、お前の気持ちには応えられない…」