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□君のペット
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ハァ……ハァ……
男は息を切らして逃げまわっていた。
その後ろを黒づくめの男、フェイタンが歩きながら近づいてくる。
「ハハ…逃げても無駄ね」
思えばこの余裕が災厄の始まりだったのだろう。
「くそっ!!こうなったら!!」
くるりと意を決っしたかのような顔で、男は振り向いた。
「潔く覚悟決めたか?
一瞬で終わらせてやるね」
すっと手刀を繰り出そうとしたその瞬間。
一瞬にして、煙が立ち込めた。
……目くらましのつもりか?
悪あがきも大概にするね!!
煙が晴れた頃、その男の姿は消えていた。
くっ…!!どこにいたか!!
急いで駆け出そうとした、が…
なんか視界が低い気がするね…
そして目線を下にやると、毛だらけの自分の手…
「にゃーーーーー!!!!!!」
(どうゆうことね!?)