short
□好きな人の好きな人
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好きになった人には、好きな人がいるようで。
仕事終わりに、フェイタンとフィンクスが飲んでいた。
「あ、私も混ぜてー!!」
ちゃっかり自分のお酒も持ってきてフィンクスの隣に座った。
…ユウまたフィンクスの隣に来たね。
フェイタンとフィンクスが飲んでいると、よくユウも一緒に混ざって飲む。
そのときにユウの定位置は、いつもフィンクスの隣。
やぱりユウはフィンクスのことが好きね……
旅団の新メンバーであるユウは、持ち前の可愛さや明るさであっという間に、旅団の人気者になった。
フェイタンも例外ではなかった。
最初の頃はユウはフェイタンとよく話していた。
人と話すのが苦手なフェイタンも、ユウと話せる時間は心地よかった。
ところが、いつからかフェイタンに話し掛ける機会が減り、代わりにユウはフィンクスと話すことが増えた。
いつもユウを見ていたフェイタンには気づいてしまった。
フィンクスの隣に座るユウ。
時々2人だけで、話していることもある。
そのときのユウは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにしていることもあった。
よりによて、フィンクスか……
フィンクスと一緒にいることの多いフェイタンにとっては、その光景の目の当たりにするのは拷問のようだった。