short
□可愛い君
1ページ/7ページ
「フェイ〜♪
今日も可愛いね」
ぐしゃっとフェイタンの頭を撫でるユウ。
だが、その手は即座に払われる。
「毎日毎日うるさいね!!!!」
ギロリと上目遣いでユウ睨みつける。
「えへへ。
フェイタン小さくて可愛いんだもん」
フェイタンは確かに旅団の中でもダントツに背が低い。
ただその事は、戦闘力には比例していないし本人も気にしていない。
ただし、それは戦いに身を置いているときだけ。
好きな女に“可愛い”なんて言われたくないね!!!!
………それがフェイタンの心の叫びだった。
3ヶ月前に旅団に入ったユウ。
ユウは明るくて、美しい。
そして長身だった。
自分の毒舌にもニコニコと返してきて、相手のペースにはまった頃には、フェイタンはユウを好きになっていた。
身長差も自分は全く気にしてない。
……が、こうも可愛いと言われると、男としての自信が無くなってくる。
「またく、鬱陶しいヤツね!!」
自信が無くて、心にも無いことを言ってしまう。