水色ガールフレンド

□06.恋人の要求
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少しずつ好きになって、ゆっくりと私たちの恋は進んでいくのだと思っていた。
そう思っていた。

よくよく考えれば、あのフェイタンがそんな生温い状況に甘んじてるわけなどないのだ。




頬に冷たい感触が心地いい。
そっと触れられていたものは、次第にペチペチと頬をリズミカルに打ち出した。
なんか痛い…

うっすらと開いた目に光が飛び込んでくる。
寝ぼけた目にシルエットがぼんやりと浮かび上がってくる。

「シオリ、起きるね」
その声の主は、私の視界いっぱいに映し出されていた。
その手は私の頬にそえられていて。

「ん…フェイ…」


その一瞬で脳が覚醒して、私はベッドから飛び起きた。
…つもりだったが、そう出来なかった。

フェイタンが私の上に馬乗りになって、体をがっちりとホールドしてしまっていたから。

「シオリ、ワタシより寝起き悪いね」
「なっ…なんで私の部屋に…
鍵かけてたのに何でっ…!!」
朝から頭が回らずに、思考はこんがらがってしまう。

「鍵?…ああ」
どうでもよさそうに、フェイタンは扉の方へ顔を向ける。
そこには、もはや鍵やドアノブの原型を留めずに、破壊された欠片が転がっていた。

「えっ…ドア壊しちゃったの!?」
旅団の中にもプライバシーというものがある。

「心配いらないね」
涼しい顔をしてフェイタンが、何事も無かったようにベッドから降りる。
そう言われても、心配だらけなんだけど…。

「今日からワタシの部屋に来ればいいね」



それは、いわゆる…同棲?
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