水色ガールフレンド

□05,恋の温度
1ページ/4ページ

フェイタンに告白された日から2週間が経った。
とは言っても、お互いに仕事のタイミングが合わず、話す時間もままならなかった。


「今日は大仕事だったな。
成功を祝して」
クロロのねぎらいの言葉でスタートした大宴会。
どれだけ飲む気なのか、アジトの広場には山のようにお酒が積まれていた。

仕事の程よい疲れを感じつつ、私も軽めのカクテルを飲むことにした。

「シオリ」
缶ビールを片手にフェイタンが近くへ来たので、私は横にずれて座るスペースを空ける。

「おつかれさま」
私たちは缶を打ち鳴らし、小さく乾杯をした。
フェイタンが私の隣に来るということに、まだ慣れないでいる。
けれど今まで怖いと思っていたことが、随分前のことのように思えてしまう。

「シオリは、弱い酒しか飲ませないね」
制止するように言ってくるが、これはフェイタンなりに私を心配しての言葉だと分かってきた。
目つきは相変わらず鋭いが、私に対しては少しだけ声色が優しくなることに気がついた。

「これは、アルコールはほとんど入ってないから大丈夫よ」
パクノダが心配無用と声をかけてくれた。
この前、話をしたときから何かと気にかけてくれる私にとって頼れる存在。

「ま、パクが見てくれてたら大丈夫ね」
フェイタンも同様にパクノダを信頼しているのだろう。



数時間が経過する頃には、辺りには空き缶が転がり、何人かはすっかり出来上がってしまっていた。
「こっちは、ちゃんと飲んでるのー?」
普段はあまり酔わないシャルナークが珍しく顔を赤くしてこちらに寄ってきた。
手にしていたのは、かなりアルコール度数の高いお酒。なるほどと納得する。

「適当にやてるよ」
自分のペースで飲みたいフェイタンは、シャルナークを軽くあしらう。

「ねぇ俺フェイに聞きたかったんだけどさ…」
フェイタンの言葉など、酔っているシャルナークには何ら効果が無かったようだ。
意に介さず、フェイタンに詰め寄ってくる。

「シオリのどこに惚れたの?」
その言葉をシャルナークが投げかけると同時に、フェイタンがむせた為ビールが口元からこぼれた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ