水色ガールフレンド

□02.恋が知れ渡った
1ページ/5ページ

『…ずっと君が好きだった』
昔みたドラマの主人公は、そんな風に告白されていた。

抱き合ってキスをする2人。
そうそう、恋愛ってこんなイメージ。


『シオリ、お前ワタシの女になるね』
黒づくめで射抜くような目をして、私にそう告げたのは……




「はっ・・・!!」
ベッドから飛び起きると、汗だくの自分。
肩に揃えた髪は乱れて、顔に鬱陶しく張り付いている。
………夢かぁ…。

冴えてきた頭に段々と昨日の記憶が戻ってくる。

フェイタンはなんで急にあんなこと…。
今日いまから、どんな顔をして会えばいいのか。
かと言ってこのまま部屋にこもっているわけにもいかない。

もやもやとした気持ちを抱えたまま、ボサボサの髪を整えて服を着替える。

カチャ…。
なるべく音を立てないように、部屋のドアを開けて頭だけを出す。
キョロキョロと左右を確認。

よし!フェイタンはいない。



そっと部屋の外へと出て行く。

「シオリ」
背後からの声に一瞬びくりとしたが、声の主が分かってほっとした。

「フィンクスおはよう」
がしっと振り返りざまにフィンクスは、私の首に腕を回してきた。

「フィン?」
「まぁ、お前も色々大変だろうけどよ。
あいつ根はいいヤツだからさ」
私の耳元でそう言うとニヤニヤしながらフィンクスは、自分の部屋に戻っていった。

……あいつって…
やっぱフェイタンのことだよね。

昨日のことフェイタンから聞いたのかな?
フィンクスとフェイタン仲いいから、そういう話しもするのかもしれない。


やっぱり昨日のことは現実だったのだと改めて思い知る。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ