少女狂想
□09.『繋がれた体』*
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「シズクありがとう」
シズクが忘れずに金魚の餌を買ってきた。
団員たちは奇跡を見るような目で見ていた。
「レイラ、1日このスプーン1杯の量をあげるんだって」
あまり他人に関心を示さないシズクだが、年下のレイラが頼ってくるのは可愛いようだった。
その様子を瓦礫の上で読書をしながらフェイタンは眺めていた。
レイラは当たり前のように自然に団員達と接している。
けれどそれはクロロの気まぐれで、そのうちレイラがいない日常が当たり前になる。
そして、そうなるようにレイラを連れてきたのは自分で。
「おい!おいフェイ!!」
耳元の大声に我に返る。
「何かフィンクス五月蝿いね」
「メシだって何回言わせんだよ!!」
食事の準備が出来たのを知らせてやったのにと、フィンクスは憤慨する。
「おめー、何ボーッとしてんだ?」
その質問にフェイタンは眉をひそめる。
「別になんでもないね」
そう…何でもない。
自分は何も変わってない。