少女狂想
□06.『違った?』
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レイラがここに来て10日が経った。
来たばかりの頃は考えられなかったが、レイラはフェイタンの前でよく微笑むようになった。
フェイタンが仕事で出ていて、帰ってくると今日あった出来事などを話しかけてくる。
「今日はパクノダが料理を教えてくれたの」
そう言って、夕飯はどんなとんでもないものが出るかと想像していたが、意外にも見た目も味もなかなかのものだった。
「レイラは基本的な事を教えたら、あっという間に覚えたわよ」
パクノダもお墨付きだ。
他の団員達も褒めていた。
「前の家でする事が無くて、使用人が料理をするのをよく眺めていたみたい」
何も出来なかった分、吸収力が並みじゃないようねと、パクノダは分析する。
その前はシャルに携帯の使い方を教えてもらっていた。
これにはなかなか苦戦しているようで、あまり上達していないようだ。
気がつけば、段々と団員達に溶け込んでいっているレイラ。
それでもフェイタンの前でだけ見せる微笑みに、フェイタンは優越感を感じるが、自分自身ではそれに気づかない。
「フェイ」
食事の最中、思い出したようにクロロが声を出した。
「明日、ちょっとレイラを借りるぞ」
その言葉に団員達の目線はクロロに集まった。